事業所紹介-花酔酒造株式会社(備北商工会)
世界最高賞に輝いた長期熟成酒。「広島の山酒」で地域の魅力を発信
投稿日:2026.07.10

IWC2026「SAKE部門」で広島古酒トロフィーを受賞した「花モ酔ウ 長期熟成純米酒1988醸造」
1899(明治32)年創業の花酔酒造は、庄原市で120年以上にわたり酒造りを続ける老舗の酒蔵です。石灰岩層の影響を受けたミネラルを豊富に含む中硬水と、冬には氷点下8度にもなる厳しい寒さを生かした、芳醇でしっかりとした味わいの酒を醸しています。搾りたては力強く、熟成によって角が取れてまろやかな旨味へと変化する酒質も特徴です。看板商品の「吊るし搾り純米無濾過生原酒」は、もろみを入れた袋を吊るし、重力だけで自然に滴り落ちる酒だけを集める昔ながらの製法で造られ、米本来の旨味を引き出した繊細な味わいが高く評価されています。
その酒造りが世界の舞台でも認められ、「花モ酔ウ 長期熟成純米酒1988醸造」が、世界最大級のコンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」SAKE部門・古酒の部でゴールドメダルを受賞し、さらに部門最高賞となるトロフィーの次席であるリージョナルトロフィーを獲得しました。
長期熟成酒への挑戦を始めたのは、四代目代表取締役(前・蔵元杜氏)の谷本淳一さんが30歳の頃に古酒の魅力と出合ったことがきっかけ。当時は熟成酒の価値が広く認知されていなかったものの、その可能性を信じ、通常の日本酒と同じ製法で仕込んだ酒を蔵の冷暗所で長い年月をかけて常温熟成させてきました。谷本さんは「30歳の頃に古酒の魅力と出合い、挑戦を始めた純米酒で、このような素晴らしい賞をいただけて感無量です」と受賞の喜びを語ります。長年受け継いできた技術と挑戦が、世界最高賞という大きな評価につながりました。

伝統を守り続ける四代目杜氏の谷本さん
現在は次期五代目蔵元杜氏の谷本夕季さんが中心となり、新たな地域ブランド「広島の山酒」の発信にも力を注いでいます。全国的には瀬戸内の軟水で造られるやわらかな味わいの「女酒」が有名ですが、山間部の寒暖差やミネラル豊富な硬水が生み出す力強い味わいの「男酒」をもっと広く知ってもらおうという取り組み。中国山地ならではの美しいロケーションや鮎うるか、ジビエ料理など地域ならではの食文化を日本酒と組み合わせ、山の酒だからこそ生まれる魅力を発信しています。
その取り組みをさらに広げるため、夕季さんは山のお酒と食を一緒に盛り上げてくれる仲間を募集中。酒造りに興味のある人や地域食材とのコラボレーション、イベント企画など、さまざまな形で関わる人たちとムーブメントを起こしたいと考えています。谷本さん自身も海外事業に携わった経験を生かし、イベントや飲食店での試飲販売など、お客様と直接対話しながら花酔酒造と広島の山酒の魅力を発信し続けています。

手仕込みの小さな蔵だからできる、個性豊かな日本酒が揃います
こうした挑戦を後押しするため、備北商工会では資金計画や設備投資、補助金活用を含めた中長期的な伴走支援を実施。事業計画の策定やネットワークづくりを進めながら、小さな酒蔵だからこそ生み出せる新たな価値づくりを支えています。
●花酔酒造
住所/庄原市総領町稲草1995-1
TEL/0824-88-2010
営業時間/9:00~17:00
休み/不定

