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わがまちの元気印-カネト水産

牛乳販売業者と異業種連携した鮮魚の宅配サービスで、販売事業を自社の新たな柱に

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沼隈内海 商工会

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わがまちの元気印-カネト水産

▲水揚げされたばかりの新鮮な真鯛を手に、満面の笑みを見せる佐藤弘常主任。

 

福山市内海町にある老舗の鮮魚卸売業者が、地域密着型のサービス事業を新たに展開。新規事業によっていっそう地域に愛される企業づくりを目指しつつ、さらなる収益性の向上と経営力の強化を図ろうとしています。

 

“せとうちど真中直行便”を掲げ、新たな事業展開に乗り出したのは、1921年(大正10年)に創業した“カネト水産株式会社”。同社が立ち上げた新規事業は、同市大門町の牛乳宅配業者と異業種タッグを組んで行う鮮魚の宅配サービスで、事業責任者で若き後継者の佐藤弘常主任は、「生産者と消費者の双方が幸せになれる“ウィン・ウィン”の仕組みで、地域社会に貢献したい」と張り切っています。

 

同社は、打瀬船で漁業を営んでいた佐藤主任の曽祖父が、鮮魚仲買業を起こしたのが始まり。昭和初期、現会長の祖父に代替わり。現会長は干しエビや海苔の加工に乗り出し、昭和後期以降、漁獲量の減少傾向が続く中で養殖用稚魚の種苗生産にも着手。事業を次々に拡大し、同社発展の基礎を築き上げました。平成の時代に入り、佐藤主任の父である現社長が種苗生産の技術開発に本格的に取り組み始め、4年前には広島県で初めてマハタの種苗生産に成功するなど、数々の実績を上げてきました。

 

現在、同社の主力業務は大きく分けて2つ。一つは、創業時から受け継いでいる鮮魚卸業。もう一つは、現社長が養殖技術を確立した稚魚の種苗生産。種苗生産とは、卵から孵化させた稚魚をある程度の大きさにまで中間育成する養殖法のこと。ある程度の大きさに成長した稚魚は、四国や九州の養殖業者に出荷しています。

 

中間育成でより良い種苗生産を行うために必要な餌料の培養技術も自社で確立。より良い動物性プランクトンを稚魚のエサにするために、その動物性プランクトンに良質な植物性プランクトンを与えるなど、目に見えないほどの小さな微生物の培養に至るまで一貫した養殖体制を整えています。同社のすぐ目の前に広がる栽培漁業には、真鯛、ヒラメ、マハタ、クロソイ、タイリクスズキの5種類の稚魚が数十万尾単位で養殖され、色とりどりの可愛らしい魚たちが水面近くを元気に、飛び跳ねるように泳ぎ回っています。

 

付加価値の高い養殖技術によって、すべてが順調に推移しているわけではありません。「年々漁獲量が減っていく中、魚価も下落傾向。おのずと相対的に養殖魚の価格も下がる一方」と佐藤主任。ただ、漁業の未来を憂いているだけでは現状は打破できず、新たな事業の柱を構築することで、迫りくる危機を乗り越えたいと佐藤主任は考えました。そこで思いついたのが、既存の直売施設の機能強化を図ることでした。市場に卸すための魚の集荷場として長らく埋もれていた直売施設を、人を呼べる直売店に変え、鮮魚の小売りを第3の商売の柱にしようと佐藤主任は立ち上がりました。

 

直売店を単に魚を売り買いする場としてだけでなく、消費者にとって敷居の高かった空間をコミュニケーションの場として開放し、“食卓提案の場”として生まれ変わらせました。漁場直送の新鮮な地魚を市価より格安で購入できるだけでも消費者にとっては十分な魅力ですが、直売店の高付加価値化を目指し、対面式の丸魚無料調理サービスを開始。さらに、母親とともに考案した魚料理のレシピ約30種類をお手製のリーフレットにまとめて、魚を調理することの楽しさを消費者に提案。「おいしい魚料理が作れた」。そんな声も日増しに増え、常時約20種類の魚が生簀に泳ぐ直売店はにわかに活気づいてきました。旬の魚にスポットを当てた集客イベントの客足も着実に増えています。

 

小売り部門の強化を図る一方で、その日の水揚げ情報やおすすめ情報を日々、自身のツイッターに投稿していた佐藤主任。即効性の高いツイッターを活用した地道な情報発信活動が、思わぬビジネスチャンスを呼び込むきっかけになりました。佐藤主任の“つぶやき”を目にした福山市内の牛乳販売業者から昨年末、ビジネスマッチングを求めるアプローチが舞い込んできました。

 

「新鮮な牛乳とともに新鮮な魚を消費者に直接届けてみては」との提案を受け、「いけると確信した」と佐藤主任。打ち合わせを重ねて業務提携へと至った両者は昨年12月、同市東部地域エリアとし、注文を受けた家庭にその日水揚げされたばかりの鮮魚を配達するサービスを共同で開始しました。宅配サービスは、毎週月曜日に佐藤主任が予想した水揚げ情報を牛乳販売業者がメールマガジンやチラシで配信。木曜日まで注文を受け付け、金曜日に各家庭に配達する仕組み。単品からでも受け付け、980円~2,980円の詰め合わせセットも用意。直送なので通常の小売価格よりも安く、配達料は1か月500円。配達時にはおすすめのレシピも添えて渡し、希望者には無料で下処理も行います。

 

宅配サービス開始後間もなく、佐藤主任は自社の取り組みを多くの人に知ってもらおうと、プレスリリースの作り方を独自に学び、テレビ局や新聞社などのマスコミに向けて情報を発信。その効果はてきめんで、佐藤主任の新たな試みはテレビや新聞を通して広く市民の知るところとなりました。その効果はすぐに現れ、消費者からの問い合わせや顧客からの紹介などが殺到。牛乳宅配業者のアナウンス効果もあって、当初わずか数件だった注文が多い時には80件以上に膨れ上がり、今では約50件から定期的な注文が入るといいます。

 

生産者にとっては水揚げした魚をいち早く届けることができ、消費者にとっては朝獲れた魚がその日のうちに食卓に上る仕組みを「ウィン・ウィンの関係」と佐藤主任。双方が幸せになれる新規事業を通じて、地域に笑顔を届け続け、地域に愛され続ける企業になりたいと自身も笑顔をほころばせます。

 

●お問い合わせ/カネト水産株式会社 TEL(084)986-2025
●お問い合わせ/沼隈内海商工会 TEL(084)987-0328

 

カネト水産株式会社のホームページはこちら

わがまちの元気印-松川繊維

ツナギ服の製造業者が2つの自社ブランドを軌道に乗せて“脱下請け”を目指す

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福山北 商工会

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わがまちの元気印-松川繊維

▲それぞれのブランドを立ち上げて新規顧客の開拓に挑む尾崎一成社長と妻ひとみさん。

 

地域の伝統産業である繊維産業が先細りしていく中、ニッチな分野に特化したモノづくりに活路を見出し、生き残りを賭けた新規事業に果敢に挑む企業が福山市駅家町にあります。1975年(昭和50年)の創業以来、ツナギ服の製造販売を手掛けてきた“松川繊維株式会社”。新たな市場に目を向け、近年、これまで培った独自の技術力をベースとする自社ブランドを積極的に展開。新規顧客の開拓を強力に推し進めて、厳しい時代に生き残りを図ろうとしています。

 

同社の代表を務める尾崎一成社長は、もともと繊維業界とは無縁の人物。妻ひとみさんの実家の家業を継ぐために脱サラし、大阪から福山へ移り住んだのが30歳の時。「努力次第で大きく稼ぐことも可能な事業経営に興味があった。事業内容もおよそつかめていた」。創業者である先代の後を受け、1998年(平成10年)に2代目代表に就任しました。

 

同社はパターン制作から裁断、縫製まで一貫して行い、自動車・農機具・重機販売店などの作業現場を支えるツナギ服を製造し販売。エンドユーザーは多業種で、その中には数多くの大手企業も含まれるなど、創業以降、同社の業績は比較的安定した推移を保っていました。しかし近年、人件費の安い海外に生産拠点を移す縫製業者が増え、新興国メーカーの台頭や過剰供給などにより、業界の空洞化が加速。同社の業績も徐々に下降線を辿り始め、同業者の倒産も相次ぎました。取引先の倒産によって、大量の生地を在庫として抱え込む事態にも見舞われました。「だが、逆にそれが新しいチャンスの芽になるとは、その時は思ってもいなかった」と当時を振り返る尾崎社長。

 

今から6年前のこと。「10月に鈴鹿で開催されるF1日本GPのスタッフスーツを制作してほしい」。大阪の取引先企業から突然舞い込んだ依頼が、一つの転機になりました。創業以来ツナギ服の製造に特化し、地道なモノづくりを続けていた同社にとってまたとないチャンスで、「身震いするような戸惑いがあった」。尾崎社長はこれまでの経験と技術を信じ、不安を自信に変えてこの大仕事に挑戦。見事にそれを成功させました。すると、ドライビングスーツの依頼が立て続けに入るなど、今まで取引のなかった分野に新たな活路が開けてきました。

 

「今がチャンスか?」。ツナギ服の製造からレーシングスーツ、ドライビングスーツの製造に軸足を移すという、思い切った方向転換を尾崎社長は図ります。既存の技術を生かしてオリジナルの“レーシングツナギ”を作り、販売を開始することにしたのです。F1日本GPのスタッフスーツを手掛けたことが一つのきっかけですが、大量に抱えた在庫の生地を生かしてひとみさんがオリジナルのエプロンを制作し、自社ブランドを立ち上げて売り出したことに触発されたのが大きな要因でした。

 

難燃素材を生地に使用することで、安全性や耐火性を高めているのが従来のレーシングスーツ。尾崎社長は難燃素材を使用しない、これまでになかったレーシングスーツの開発を試みました。「レーシングスーツ=プロが使用する高価なウェアが定番イメージ。それを覆したかった」。一部の限られた人のためのものではなく、誰でも気軽に着ることができるレーシングツナギを開発し、2006年(平成18年)2月から“ソニエルジャパン”というブランド名で売り出しました。

 

難燃素材を使わないことにより、コストを従来の1/10程度まで抑え、どこにもない低価格を実現。同時に、大幅な重量低減ができたことで、身体への負荷を軽減することにも成功したレーシングツナギは瞬く間にヒット。製造に用いる加工技術は同じで、難燃素材があるかないかだけの違い。単純かつ大胆な発想の転換によって、尾崎社長は愛好家たちにレーシングツナギという新しい選択肢を示したのです。「レーシングスーツの価格はそれこそ青天井だが、レーシングツナギは安いものなら5,000円から」と尾崎社長。

 

誰も着目しないニッチなニーズを狙い撃ちしたことが奏功し、開発以降、売り上げはコンスタントな右肩上がり。「周囲を見渡しても競合相手はどこにもいない」。現在、月平均50着のオーダーがあるといいます。

 

ソニエルジャパンより一足先に、ひとみさんが立ち上げたもう一つの自社ブランド“ブルームーン”は、備後絣、帆布、デニムなどの備後伝統の生地を使用して、オリジナルのエプロンなどを製造し販売。生地の質感を生かしたソムリエエプロン、ギャルソンエプロンなどのワンランク上を目指す人向けのエプロンをはじめ、カフェ雑貨、帆布バッグなどを手掛けています。刺繍加工やプリント加工にもこだわりを持ち、同業他社と連携しながら常に高品質、高付加価値を追求しています。

 

自社ブランドを車の両輪に例え、「当社が生き残るためには、どちらが欠けても前には進めない」と尾崎社長。同社の事業割合は、ツナギ服の製造事業6に対して、自社ブランド事業4の割合。自社ブランド事業の割合を今後大幅に増やすことで、不況下でも常に新規顧客の開拓を行い続け、自社の経営基盤を強固にしていきたいと意気込みます。近い将来“脱下請け”を実現し、地域の同業者らと手を携えて伝統産業の振興による地域経済の活性化に貢献すること。それが尾崎社長の描く大きな夢です。

 

●お問い合わせ/松川繊維株式会社 TEL(084)976-1592
●お問い合わせ/福山北商工会 TEL(084)976-3111

 

“ソニエルジャパン”のホームページはこちら

わがまちの元気印-徳毛レジン

既存技術をベースに新開発した、介護向けに特化した浴槽で新規市場への参入目指す

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福山あしな商工会芦田支所

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わがまちの元気印-徳毛レジン

▲モノづくり企業“徳毛レジン”をけん引し、新規市場参入に果敢に挑む徳毛裕介社長。

 

長年培った既存技術と時代のニーズを高いレベルで融合させて新製品を開発し、新たな市場への投入に挑もうとする企業が福山市芦田町にあります。FRP(ガラス繊維強化プラスチック)の製造加工を営む企業として、1977年(昭和52年)に創業した“有限会社徳毛レジン”。若き2代目経営者として事業活動の積極展開をけん引する徳毛裕介社長は、「新製品を作ったはいいが、どう情報発信していくかが今の課題」と語り、新製品を通じて自社の製品力や技術力を広く周知したいと意気込んでいます。

 

同社は創業以来今日まで、FRPの加工を一貫して自社で手掛けてきました。主力営業品目である医療・介護機器を中心に、住宅設備機器、遊具施設、各種機械カバーなど、FRP製品をさまざまな分野に提供しています。

 

顧客が求める製品の形状や数量に応じた成型法、加工法を選択し、顧客にカスタム製品を提供。その同社が最も得意とするのが、“ハンドレイアップ成型”と呼ばれる技術。これは、作業者がロール、刷毛などを用いた手作業で、樹脂とガラス繊維を交互に積み上げていく成型方法のこと。その特徴は、「少・中量生産に最適で、複雑な製品の成形に適応できる」と徳毛社長。人手による手作業のため、その仕上がりは作業者の熟練度に左右されやすいのも特徴の一つですが、同社は長年の経験に裏打ちされた確かな製品力、技術力に大きな自信を持っています。

 

同社はこれまで、注文を個別の仕様に対応させる、多品種少量ロットの受注生産を主に手掛けてきました。裏を返せば、売上が受注変動などの外部環境によって左右されやすいのが弱み。「折しも世の中は不景気。数年前から次第に新製品開発の気運が全社的に高まってきた」と徳毛社長。新しい製品を一から形作ることができるのが同社一番の強みで、製品力、技術力には絶対の自信。遡ること今から3年前、同社は新製品開発という新規事業を立ち上げ、新規市場を開拓して行こうと決意を新たにしました。

 

モノづくりはお手の物。「ただ、実際に何を作ればいいのか、顧客ニーズを捉えることに最も苦労した」と徳毛社長。顧客ニーズを把握するためのマーケティングなどを行った結果、同社が導き出したのが、「FRPオーダーメイド浴槽、承ります」という方向性。家族構成やライフスタイルに合わせた、世界に一つしかない“こだわりの浴槽”をオーダーメイドで製造しようという試みです。

 

既製品の浴槽では対応できない形状、理想の寸法を形にした浴槽など、浴室空間を最大限に生かした理想の浴槽づくりを高い自社技術によって実現しました。顧客が希望するデザイン、サイズを自由に設計。カラーも自由に選べ、1個単位で注文することを可能にしたことで、介護施設や特別養護施設の大型浴槽、個人宅の新築浴槽など、多くの納品実績を上げました。中小企業だからこそできるニッチなニーズを狙った試みを同社は見事に成功させました。

 

同社はこの取り組みによって、2009年(平成21年)3月、『新しいFRP素材の開発導入や新商品開発による差別化戦略の展開』で広島県の経営革新計画の承認を受けました。

 

その後、新事業展開で得たノウハウを生かし、介護・福祉分野の現場ニーズに応えた新製品、個浴用浴槽“ほほえみ”を今年開発。介護・福祉の現場で行われる入浴方法の一つに個浴入浴という入浴法がありますが、その方法にはメリットもあればデメリットもあるうえ、介護する人される人の負担も少なくありません。次なる手として、介護現場での負担軽減などを図ることで、広く社会に貢献しようと考えた徳毛社長は、個浴に特化した浴槽の開発に着手。現場ニーズに即した機能を付加し、個浴入浴の現場が理想とする浴槽を機能的な形で表現し、世に送り出しました。

 

どの方向からも介助、入浴しやすい4方向エプロン(前面パネル)対応で、設置場所を問わず多様な施工レイアウトを可能にし、据え置き・埋め込みのどちらにも対応。「入浴する人に笑顔になってもらいたい」の思いを込めたほほえみで、使う人が幸せになれるモノづくりを実現した一方で、徳毛社長は一抹の不満も覚えました。「過不足のない新製品で、目標は達成できた。ただ、使う人の立場に立ったモノづくりの視点が欠けていた」。

 

ほほえみには作り手の目線、悪く言えば作り手の都合が見え隠れすると感じたことが、一抹の不満が残った原因と考えた徳毛社長は、次なる新製品として、一人浴FRP浴槽“おふろ~ず”を開発し、今年9月に発表。職人が精魂込めて作り上げたハンドメイドのプラスチック風呂で、介護アドバイザー、青山幸広氏監修の下、介護・福祉の現場ニーズをとことんまで突き詰めて開発した新製品です。

 

一人浴を考慮した設計で、直角に近いバスタブにより、背もたれの角度が身体を優しく支えて座り心地も抜群。浴槽外側面の全4方向に握りやすいグリップを設けるなど、誰でも入りやすい安心設計を実現。専門家のアドバイスを受けながら、理想を形にする作業の一方で、「今後この新製品を売っていく上で、現場の実情を知らないままでは、自分の言葉に説得力は生まれない」。徳毛社長は現在、自社の経営業務の傍ら、個浴入浴を実践している地域の施設や青山氏のもとに通い、その道のプロたちの協力や職人の努力に恥じない営業活動を目指し、新たな知識を貪欲に吸収することにも余念がありません。

 

理想通りの新製品が完成した今、「今後は販売促進に力を入れたい」と徳毛社長。同時に、新製品開発で発揮した自社技術をより幅広い分野に役立ててみたいとも語り、「それを考え出すとワクワクする」と若者らしい笑顔を見せました。

 

●お問い合わせ/有限会社徳毛レジン TEL(084)958-4581
●お問い合わせ/福山あしな商工会芦田支所 TEL(084)958-5858

「佐伯軽トラ市」第2弾開催

小瀬川沿いの緑あふれる環境の中、前回とは違った雰囲気の朝市を繰り広げる

地域イベント

佐伯商工会青年部

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「佐伯軽トラ市」第2弾開催

▲廿日市市内外から17の事業所、団体が出店して開かれた前回の「佐伯軽トラ市」。

 

今年度2回目となる佐伯商工会青年部主催の「佐伯軽トラ市」が、11月13日(日)に廿日市市津田の岩倉ファームパーク芝広場で開かれることが決まりました。同商工会青年部が地元の農業後継者グループ“佐伯農業者クラブ”の協力を得て、先月初めて開催し、市内外から多くの買い物客を集めた朝市の第2弾。同商工会青年部は、「前回を上回る多くの出店とたくさんの来場を待っている」と呼びかけています。

 

軽トラックの荷台で地元の特産品などを販売する朝市。地域住民の足が遠のく中心市街地に活気と賑わいを呼び戻そうと、今年度の「広域商工会青年部活性化事業(提案公募事業)」を活用して同商工会青年部が企画したもの。

 

前回は市内外から17の事業所、団体が出店。各出店者が軽トラック、軽自動車の荷台を売り場にして、農産物や加工品、工芸品、手づくり品などさまざまな商品を販売しました。出店者たちの威勢の良い呼び込みの声が響き、新鮮な農産物や掘り出し物を目当てに訪れた買い物客でごった返すなど、会場一帯は朝から大賑わいを見せました。同商工会青年部は前回を上回る20店舗以上の出店を見込んでいて、「初回の成功をバネに、規模と内容をいっそうグレードアップさせたい」と意気込んでいます。前回行ったアンケート調査では、新鮮な農産物の出品を求める声が多かったことから、買い物客のニーズに応えて満足度をさらに高めようと、地元の生産者などに広く出店を呼びかけることにしています。

 

軽トラックの荷台を利用して、開催時間内で地域の特産品などを販売することが可能な人であれば、誰でも出店できます。出店料は1台につき1,000円。新鮮な農産物や海産物、加工品はもちろん、手づくり品、衣料品、生活雑貨などを持ち込んで自由に販売してください。なお、危険物や医薬品類、アルコール類、金券類、食品衛生法に基づく営業許可の対象となっていない加工食品などの販売はできません。

 

今回の会場となる岩倉ファームパークは、小瀬川の清流と森林に囲まれた緑豊かな環境で、前回とはまた違った雰囲気の朝市が楽しめそう。「この機会に佐伯地域の魅力的なスポットを知ってもらうと同時に、青年部の取り組みを多くの人に認知してもらい、来年度以降の定期開催につなげていきたい」と同商工会青年部の炭本亮部長。休日のレジャーを兼ねて出かけてみるのもいいかもしれません。

 

佐伯軽トラ市の開催時間は午前8時から同10時。たくさんのご来場お待ちしています。

 

●お問い合わせ/佐伯商工会 TEL(0829)72-0690

 

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初の軽トラ市大盛況

市内外から17の事業所、団体が出店し、会場一帯が朝から大賑わいを見せる

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佐伯商工会青年部

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初の軽トラ市大盛況

▲廿日市市内外から17の事業所、団体が出店して開かれた初の「佐伯軽トラ市」。

 

佐伯商工会青年部が初めて企画した「佐伯軽トラ市」が11日、廿日市市津田の廿日市市さいき文化センター前駐車場で開かれました。軽トラックや軽自動車の荷台を使って特産品などを売るフリーマーケットで、市内外から17の事業所、団体が出店。普段は静かな町並みに多くの人が行き交い、商店街一帯が活気にあふれました。

 

同商工会青年部が今年度の「広域商工会青年部活性化事業(提案公募事業)」を活用して開いたもの。地元住民の足が遠のく中心市街地に活気と賑わいを呼び戻す目的で、地元の農業後継者グループ“佐伯農業者クラブ”の協力を得て開催。

 

会場には多数の軽トラック、軽自動車が並び、各出店者が荷台を売り場にして、農産物や加工品、工芸品などさまざまな商品を販売。目移りするほどの充実した品揃えで、出店者たちの威勢の良い呼び込みの声が響き、新鮮な農産物や掘り出し物を目当てに訪れた来場者でごった返すなど、会場一帯は朝から大賑わい。開始早々から、まさに歩いて来る人たちを避けながら進むといった盛況ぶりを見せました。

 

商工会青年部は、野菜や魚、服飾雑貨など計3店舗を出店し、朝採れの新鮮野菜、旬を迎えたサンマ、レアな古着などを格安で販売。野菜や魚はとりわけ人気が高く、買い物客の手が次々と伸びて、あっと言う間に品切れに。

 

商工会女性部は各家庭の遊休品など持ち寄ってチャリティーバザーを開き、軽トラックの荷台に日用雑貨などを所狭しと並べて即売。収益金を東日本大震災で被災した商工業者の復興支援に少しでも役立ちたいと、女性部員たちが呼び込みに声をからしていました。

 

佐伯農業者クラブは、色とりどりの花苗や高級花の胡蝶蘭を出品。花色が豊富なペチュニア、八重咲き、バラ咲きのゼラニウムが軽トラの荷台を華やかに彩り、胡蝶蘭が艶やかな姿を誇るなど、丹精込めて育てた花苗が見る人の目を楽しませていました。

 

大竹市の大竹特産ゆめ倶楽部は、自家栽培の農産物を使った各種加工品を多彩に陳列。自慢の広島かきみそラー油、大根の生旨漬の試食会を開きながら、「テレビで紹介された商品」「無農薬で農産物を育てている」などの売り文句で、懸命に売り込みを図っていました。

 

同じく大竹市から参加した麺の老舗、なか川では、ひろしま夢ぷらざでもお馴染の広島ラ-メン、辛辛つけ麺広島流が飛ぶように売れ、実演販売コーナーにも客足が切れ目なく押し寄せて、店頭スタッフは終始、来店客の対応に追われていました。

 

軽トラックや軽自動車の荷台を賑わせていた商品も、各店頭ではお昼を待たずしてほぼ品薄の状態に。この日の人出の多さを物語っているようで、正午の撤収時間が近づく頃には祭りの後の静けさが漂っているようでしたが、来場者と存分にふれあいを深めることができた出店者たちは、一様に充実した表情を浮かべていました。

 

初の軽トラ市を終えて、同商工会青年部の炭本亮部長は「みなさんの協力でスムーズに終えることができ、安心した」と安堵の様子。第2回目の開催も決定し、「みなさんの意見を参考にして、次はもっと良いイベントにしたい」と次回への抱負を語っていました。

 

第2回目は11月13日(日)に開催予定です。多くの皆さんのご来場をお待ちしています。

 

●お問い合わせ/佐伯商工会 TEL(0829)72-0690

 

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有機栽培の強い味方が手軽に完成

籾殻を入れて着火3分。後は待つだけで均一のくん炭が作れる“籾殻くん炭製造機”

クローズアップ商工会

安芸高田市商工会八千代支所

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有機栽培の強い味方が手軽に完成

▲お手製の“籾殻くん炭製造機”を使ってくん炭づくりに励む坂口政己社長。

 

安芸高田市八千代町で町工場を営む製缶士の一人親方が、「脱下請け」を掲げ、ニッチなニーズを狙って新製品を開発しました。

 

事前に営業展開などについての相談を受けた地元の安芸高田市商工会は、類似製品の調査や米農家への聞き取りを行った結果、限られた客層にしか購買動機が得られない商品群であると予想し、全国市場へ低リスクで営業展開が可能なホームページの新設を開発者に提案。さらに、営業資金がゼロに等しかったため、営業活動に必要なポスターやパンフレットなどの販促グッズも作成して販路拡大を支援。結果、その新製品は一部の層から高い評価を受け、「北は東北、南は九州まで、全国各地から引き合いがある」のだとか。小さな町工場が今、ニッチにこだわった新事業展開を軌道に乗せて、下請けからの脱却を図ろうとしています。

 

主に土壌改良材として広く使われている、籾殻くん炭を製造する機械。その名もずばり“籾殻くん炭製造機”。籾殻くん炭とは、稲を脱穀する際に発生する籾殻を炭化させたもので、培養土づくりに最適な土壌改良材として古くから農家などで利用されてきました。

 

籾殻くん炭製造機を開発したのは、同町下根で町工場“坂口鉄工”を経営する坂口政己社長。鉄工畑一筋の職人で、40年以上に渡って製缶組立、溶接加工などの分野を渡り歩き、職人としての腕を磨いてきた人物です。従業員として働いていた個人事業所の営業譲渡を受けて、1998年(平成10年)に同社を設立。以来、“鉄工に関わる何でも屋”として、同市内を基盤にした堅実な営業活動を展開してきました。

 

新製品の開発を思い立ったのは、一昨年11月のこと。脱下請けを目指して、坂口社長が新たな事業展開を模索していた折、出入りの業者からヒントをもらったことがきっかけです。籾殻くん炭製造機自体は既に世に出回っていましたが、坂口社長は既存品の“不”を解消することで、結果として既存品との差別化を図り、オリジナリティを高めることに成功。それが後の高い評価につながりました。

 

既存品は機械自体が大掛かりなうえに、その大半は据え置き式。坂口社長が開発した籾殻くん炭製造機は、市販のドラム缶(200L)にオリジナル加工を施したもので、高さ900mm、外径590mmと非常にコンパクト。ただし、煙突や吸気口をはじめとする各種パーツは、構造や形状、寸法、角度などを緻密な計算をもとに設計。さらに、本体底部に搬送用の台車を取り付け、女性でも手軽に持ち運べるよう軽量化を図った点が大きな特長。屋内外場所を選ばず設置でき、いつでも誰でも簡単に籾殻くん炭を作ることを可能にしました。

 

その作り方は実にシンプル。ドラム缶いっぱいに籾殻を詰めて、スコップ1杯分の籾殻と灯油を混ぜ合わせて作った着火燃料を投入し点火。着火後、約3分程度で蓋を閉じ、約6時間待つだけで均一に炭化したくん炭が作れ、籾酢も同時に抽出できます。

 

籾殻くん炭には土壌や作物を活性化させる働きがあり、病害虫の抑制にも効果を発揮。床土、培土、敷料、マルチ、堆肥づくりなど用途はさまざまで、化学肥料を使用しない無農薬・有機栽培に最適。食の安全・安心という時代のニーズに適したバイオ炭で、籾殻くん炭の製造過程で抽出される籾酢も、「病害虫の忌避剤として大いに役立つ」と坂口社長。

 

昨年12月から製造に着手し、3か月後に実機が完成。でき上がった数台を工場が建つ国道54号線沿いに並べて展示していたところ、車窓越しにその存在に気付き、籾殻くん炭製造機の正体について問い掛けてきた人が最初の購入者。

 

坂口社長がIT初心者であることから、同商工会が管理・運営するポータルサイト“安芸高田市ドットコム”に情報掲載した以外、WEB上でのPRを一切行っていないにも関わらず、全国から引き合いが相次ぎました。ただ、製造手順を明快に示した職員お手製のPRサイトに対して、後に購入者らから「どの類似製品の紹介よりも分かりやすかった」の声も寄せられたといいます。

 

送料が高いなどの課題が持ち上がると、買い手が注文時に抱く割高感を払拭するよう、地方への配送実績を送料とともにサイトに掲載してあらかじめ対策を打ち、購入者が手順書を求めれば、それに応じてマニュアルを作成。「常に報告、相談があったため切れ目ない支援ができた」と同商工会。実機完成後、約1年半の間に19台を販売。主な購入層は農家で、「なぜか全国各地から問い合わせが来るが、この近辺ではほとんど売れない」と坂口社長は苦笑い。

 

「意外に欲しいという顧客が多い一方で供給が追い付かない状況の中、個人向けという新しい視点と、これまでになかった低価格を実現したことが勝因では」。後発の不利に加え、過大な露出もしていない籾殻くん炭製造機が継続的に販売実績を上げていることについて、同商工会はそう分析。

 

現在の販売目標は月1台。まだまだ新たな事業の柱になるまでには至っていませんが、将来的には月10台を目標にしています。各種パーツの組み立て加工を外部に発注する段取りもできていて、月10台の販売を達成できれば、「請負業からの脱却が図れる」と坂口社長は意気込みます。

 

価格は1台7万9,000円(送料別で、製造手順書、掃除用具一式が付属)。籾殻からくん炭ができるまでの手順など、詳しくは安芸高田市ドットコムをご覧ください。

 

●お問い合わせ/坂口鉄工 TEL(0826)52-3155
●お問い合わせ/安芸高田市商工会八千代支所 TEL(0826)52-2542

 

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女子学生が商店・商店街を診断

商工会商業部会が県立広島大学の女子学生らを地元の壬生商店街に招いて実施

クローズアップ商工会

北広島町 商工会

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女子学生が商店・商店街を診断

▲壬生商店街を訪れた女子学生たちが、商店街の視察や店舗経営者への聞き取り調査などを行った。

 

北広島町商工会商業部会の招きで、県立広島大学の女子学生たちが23日、北広島町壬生の壬生商店街を訪れ、商店診断・商店街診断を行いました。同大学経営情報学部経営学科の2年生8人が、店舗の見学や商店街の視察、店舗経営者への聞き取り調査などを行い、同商店街の活性化策を探りました。

 

若者の視点を商店街の活性化に生かそうと、本県連が昨年度まで実施していた「産学連携商店街ミニ診断(産学連携小規模事業者活性化推進事業)」をヒントに企画。同商工会商業部会は、過去の同事業で、加計本通商店街(山県郡安芸太田町)、可部新中央商店街(安佐北区可部)などを診断した実績を持つ同大学の粟島浩二准教授に協力を要請。粟島准教授のもとで経営学を学ぶ8人の女子学生が、同商店街の商店診断・商店街診断を担当しました。

 

女子学生たちは始めに、同商店街の店舗の現状を把握する実態調査のために、老舗の羊羹屋“山尾永寿堂”を訪問。築90年以上の日本家屋を見学しながら、昔ながらの商家の情緒ある趣を体感し、代々伝わる羊羹づくりの工程を見学しました。古民家の風情を残した日本家屋は彼女らの目には新鮮に映ったようで、「旅館としても使えそう」と感嘆しきり。伝統的な技術と独自の製法による羊羹づくりにも興味を引かれたようで、その様子を食い入るように見つめながら、「一回の工程にどれくらいの時間がかかるのか」「1日に何本くらい作ることができるのか」などと熱心に質問を繰り返していました。

 

山尾永寿堂を見学した後、一行は同商工会職員の案内で商店街を散策。近年空洞化が進んでいる旧商店街、車の往来が激しい壬生バイパス沿いなどを隈なく歩きながら、同商店街の実情をつぶさに確認しました。

 

その後、女子学生たちは3班に分かれ、それぞれ2店舗で聞き取り調査を実施。今回の聞き取り調査で粟島准教授は、デプスインタビューを採用。これは、質問者と回答者が対話方式で長い時間をかけて行う取材方法で、粟島准教授によると「深い意見を引き出して、相手の感情や思考をより明らかにすることができる」。

 

女子学生たちは、店舗経営者らが考える商店街のイメージや問題点、商店街に必要だと感じていること、今後の経営の見通しなどの具体的な質問を丁寧に投げかけながら、じっくり時間をかけて相手の意見や本音を引き出していきました。

 

店舗経営者らから見た商店街の印象は、「人通りが少ない」「商店街として成り立っていない」といった、ややネガティブなイメージが強いことが判明。問題点としては、「高齢化が進んでいる」「後継者が不足している」などの声が聞かれたほか、「地域の人が大型店に流れている」「固定観念に縛られて、柔軟な発想が生かされにくい環境」と現状を不安視する声が数多く聞かれるなど、店舗経営者らが商店街の未来に明るい希望を見出せなくなっている現状が、女子学生たちの聞き取り調査によって浮き彫りとなりました。

 

一方で、「どのお店もお客との距離が近い」「花田植えなど古き良き伝統文化を継承している」「四季折々の季節感を楽しめる町並み」などと商店街の魅力を明るく語り、昔ながらの商店街の良さを強みにして、新たな顧客を獲得したいと話す店舗経営者らも。「商店街全体でHPやブログを作り、店主らが日替わりで情報更新」といったアイデアを披露する人もいて、全体として見れば、現状を何とか打破したいと考えている店舗経営者らが大半で、聞き取り調査を行った女子学生たちもそうした思いを強く感じ取ったようです。

 

女子学生たちは今回の診断結果を報告書にまとめ、来月中旬頃に報告会を開き、個店活性化策の提言を行うことにしています。

 

●お問い合わせ/北広島町商工会 TEL(0826)72-2380

 

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わがまちの元気印-小川モータース

自社改革、第二創業、経営革新に次々挑み、地域になくてはならない企業の地位確立

事業所・店舗紹介

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わがまちの元気印-小川モータース

▲自社ガソリンスタンドで、“リピカ”のコーティングカーシャンプー使って
ユーザーの車を洗浄する小川治孝社長。

 

今年度の県青連通常総会で新会長、県連総会で新理事に就任。相次いで県連組織の要職に就き、地域社会の発展振興に意欲を燃やす一人の人物。その真の姿は、三次市甲奴町に店舗を構え、小規模ながらも地域になくてはならない事業所として発展する“有限会社小川モータース”の若き経営者。

 

自社の発展と地域社会の活性化に力を尽くそうと、日々意欲的に活動している小川治孝社長。社長の肩書を得てまだ日は浅いものの、4年前のトップ就任以降、自社改革、第二創業、経営革新に挑んで次々と成功させるなどの目覚ましい活躍を遂げています。

 

同社の歴史は古く、創業は1921年(大正11年)。小川社長の曽祖父が自転車の販売・修理業で創業。その後、祖父から父を経て、2007年(平成19年)に小川社長が事業承継をして現在に至っています。創業以来、自動2輪車の販売・修理、石油類の販売、自動車整備、中古車・新車の販売、自動車保険代行などの自動車に関わる事業を地域の顧客ニーズに対応して展開し、成長してきました。

 

小川社長は大学卒業後の1995年(平成7年)、家業を継ぐための準備として、広島市内の自動車ディーラーに就職。自動車販売店の営業マンとして新社会人生活をスタートさせました。「売ってなんぼ」の営業の世界に飛び込んだ小川社長は、いきなり社会の厳しさを味わうことになります。

 

4月に入社して実に半年間、1台も車を売ることができませんでした。同期入社の面々は、家族や親戚など身内がご祝儀として車を購入するなどの一応の成果を挙げる一方で、小川社長は「実家が車屋だけに、そんな期待もできなかった」。肩身の狭い思いで日々を過ごし、挙げ句の果てには、「どうせ売ることもできないなら、せめて車でも洗っておけ」と厳しい言葉を浴びせられる始末。

 

一人黙々と店頭に並ぶ車の洗車を繰り返す毎日。ある日、そのひたむきさを目にした一人の老紳士が小川社長に声をかけます。やがて二人の間に心の交流が芽生え、小川社長の人柄に魅せられた老紳士から車を購入したいとの嬉しい申し出が。でも実は、その老紳士は病気を理由に車に乗らない生活を続けていて、身内がキャンセルを願い出たにも関わらず、老紳士は「彼から車を買いたい」の一点張りを貫いて新車を購入。この出来事は小川社長のモチベーションアップに加え、顧客重視の重要性を認識することにもつながりました。結果、小川社長はその年度末までに23台の販売実績を残すことになりました。

 

約2年間の修業期間を終え、自信をつけて意気揚々と地元に戻ってきた頃を思い出し、「あの頃は何の根拠もなく、自分はできると錯覚していた」と小川社長。やがて、過信にも似た自信が大きな失敗を招きました。「忙しい時に顧客に対して、忙しいと口にしてしまった」。自分だけを見て、本気で顧客のことを見ていなかったと気づいた時には既に遅く、「信用を取り戻すのに長い時間がかかった。忙しさを理由に胡坐をかいていた」ことを思い知ると同時に、改めて顧客重視の言葉が思い出されました。

 

ある日突然、「来月から社長になれ」と父親からの唐突な指示で4代目社長に就任した小川社長は、顧客重視とともに、「地域がなければ自分たちは生きていけない」との思いから、地域密着を理念に掲げて自社の改革に着手。反発もあった中、家族経営という経営体質の改善を図るために、使う側と使われる側の垣根を取り払い、全社的な一体感づくりに努めて従業員の若返りを進めました。言われたことだけやるタイプの従業員に対しては、自ら率先して動くことで仕事のやり甲斐も高まることを自らの言動で示し、フラットで機動力ある組織体質を作り上げました。その後、顧客重視を鮮明にした地域密着型の営業展開で、“地域になくてはならない車屋さん”の地位を確立しました。

 

組織の再編に続いて、経営基盤の強化という課題にも着手。「本来業務の機能を生かしながら、新たな事業基盤を構築したかった」と小川社長は製造分野への進出を決意。2008年(平成20年)3月に“株式会社リピカ”を設立し、自動車用ケミカルの製造と販売に乗り出しました。

 

洗車とコーティングが一度にできる新感覚のコーティングカーシャンプーなど、「自分にとってあったらいいな」の発想を生かし、カーライフを快適にするカーケア商品を次々と企画しリリース。ここでも顧客本位の姿勢に立って、顧客の「ありそうでなかった」「こんなものが欲しかった」を実現したリピカのその評判は瞬く間に全国に広がり、新商品を発表すれば全国版の自動車専門誌で特集記事が組まれることもしばしば。その都度、「コーティングカーシャンプーでお馴染みのリピカ」といった文字が誌面に並ぶなど、絶え間ない営業努力を続けた甲斐もあって、リピカの名前は今やすっかり全国に浸透。

 

「地域の再生、活性化を考えたとき、地域外からの外貨を得るという考え方も必要」と小川社長。地元には外貨を獲得できるだけの産業がなく、「ならば自分の手で」との思いもありました。大きなリスクを伴う決断でしたが、第二創業を軌道に乗せて外貨獲得を実現しただけでなく、小川社長は4人の新たな雇用も生み出すことにも成功しました。なお、現在のリピカは独立して別会社となり、三次広域商工会青年部の部長でもある月橋寿文社長が経営を一手に担っています。

 

「失敗なんて自分にとっては何でもないことで、どうすれば上手くいくかを常に考えること」と小川社長。これまでたくさんの失敗を繰り返してきた、と自信あり気に語り、「成功とは準備とチャンスの掛け算」という先輩から学んだ自分自身の行動規範とも言える実践訓を披露。
自らの強みや弱みを自覚した上で、あらかじめ準備を整えておけば、目の前で起こる変化を自分にとってのチャンスと捉える力が生まれてくると話します。

 

その持ち前のバイタリティを生かし、小川社長は2009年(平成21年)8月、「地域に根ざした車の総合的サービスの展開」で経営革新計画の承認を取得。同社が今まで培ってきた車に関わる各種事業のノウハウ、人材、広い事業用地を生かして、車に関する顧客のあらゆるニーズにワンストップで対応できる、地域に根差した車の総合サービスを新たにして、自社の経営力をいっそう向上させました。

 

いろんなアイデアが浮かんでは消え、「常に頭の中は混沌としている」と語る一方、既に新たな事業展開に向けた青写真が描かれているようで、次は地域振興を主眼とした事業によって地域社会に恩返したい、と小川社長は今後の展望を語ります。

 

●お問い合わせ/有限会社小川モータース TEL(0847)67-2136
●お問い合わせ/株式会社リピカ TEL(0847)67-5480

 

“株式会社リピカ”のホームページはこちら

原爆の子の像に千羽鶴奉納

県内外から寄せられた折り鶴を井上会長と各ブロック長らが折り鶴台に捧げる

クローズアップ商工会

広島県商工会女性部連合会

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原爆の子の像に千羽鶴奉納

▲千羽鶴の奉納前に記念撮影する県女性連の井上文江会長(写真中央)とブロック長ら。

 

広島県商工会女性部連合会の井上文江会長と、県内7ブロックのブロック長が17日、中区中島町の広島平和記念公園を訪れて、県内外から寄せられた千羽鶴を“原爆の子の像”に奉納しました。県内外の女性部員たちが平和への願いを込めて、一羽ずつ丁寧に折り上げた折り鶴を井上会長らが折り鶴台に捧げました。

 

本県女性連が毎年継続している「原爆の子の像に千羽鶴をささげる事業」として実施したもの。この事業は、1995年(平成7年)に開催された「中国・四国ブロック商工会女性部交流会」2日目の異動研修で、各県女性連代表者らが広島平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花し、原爆の子の像に千羽鶴を奉納したのが始まり。以来、世界の恒久平和を祈念して、県内商工会女性部や中国・四国ブロック各県女性連などから折り鶴が寄せられるようになり、本県女性連が代表して毎年この時期に千羽鶴を奉納しています。

 

今年度も県内商工会女性部、中国・四国ブロック各県女性連に対して事業への協力を依頼。「この平和がいつまでも続きますように」と女性部員たちが祈りを込めて折った、1,000羽単位の折り鶴が各地から続々と寄せられました。女性部員たちは千羽鶴がかさ張らないよう、折り鶴の羽根を閉じたまま100羽単位を一本の糸でつないでリングにまとめるなど、繊細な注意を払って折り鶴を折り、千羽鶴に仕上げました。

 

県内34商工会女性部、県外1商工会女性部、中国・四国ブロック8県女性連から届いた平和の折り鶴を本県女性連が取りまとめ、残暑厳しい夏の夕暮れ、井上会長と各ブロック長らが広島平和記念公園に持参。井上会長らは原爆の子の像に平和を誓った後、女性部員たちの思いが込められた両手いっぱいの千羽鶴の束一つひとつを丁寧に折り鶴台に吊るし、「犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともにさらなる平和文化を構築し、核兵器のない平和な世界を願い折り鶴を捧げます」のメッセージを捧げました。

 

事業に参加した井上会長は、「東日本大震災の影響もあって、今年は平和を願う気持ちがことさら高まった。毎年同じ事業を継続するのは難しいことだが、この事業を通してこれからも命の大切さ、平和の尊さを訴え続けていきたい」と、平和の大切さを噛みしめているようでした。

 

●お問い合わせ/広島県商工会女性部連合会 TEL(082)247-0221

 

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「農商工連携セミナー&交流会」大盛況

農商工連携を促進して地域経済を活性化させようと、商工会などが企画し開催

セミナー・プロジェクト

三次広域 商工会

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「農商工連携セミナー&交流会」大盛況

▲「市内産品マッチング交流会」には10の個人事業者・事業所が出展し、延べ約50種類の加工産品を展示。

 

三次広域商工会・三次商工会議所・三次農業協同組合(JA三次)の3団体が実施主体となり展開する“農商工連携等サポート事業”主催の「農商工連携セミナー&市内産品マッチング交流会」が1日、三次市東酒屋町の広島三次ワイナリーで開かれました。農商工連携による新事業展開、地域資源を活用した新商品開発などの取り組みを促進し、地域経済の活性化を図ろうと開かれたもので、農商工連携の具体的な手法やアイデアを紹介するセミナーと、生産者間の連携促進を目的とした交流会の2部構成で行われました。

 

第1部のセミナーでは、“(株)クリエイティブ・ワイズ”の三宅曜子代表が、“農商工連携で輝く地域!”をテーマに講演。内閣府の“地域活性化伝道師”でもある三宅代表が、具体的な事例を交えた力強い講演を繰り広げ、会場を埋めた聴衆に熱いメッセージを届けました。

 

三宅代表は社会心理学的な視点から、時代のニーズが“モノ”から“コト”へと変わった、と分析。コトとは、商品・サービスの持つ世界観や物語性、地域性、作り手の思いなどを指して言う言葉で、品質や価格が良いか、安いかが重要な判断材料となっていた時代と異なり、「そのモノを使ってどのようなコトができるのかをイメージさせることが買い手の感情を動かし、購買行動につながる」と説明。つまり、現在は買い手が付加価値を志向する時代で、モノではなくコトを売ることが重要である、と強調しました。

 

三宅代表曰く、「価値とは魅力のこと」。地域の価値とは地域の魅力で、魅力ある地域ブランド構築のためには、その土地ならではの地域性を掘り起こしてストーリー化することや、産地としての地域の定評を高めていくなどの付加価値を付けて売る試みが重要、と力説。さらに、より強い地域ブランドを作り上げるには、「顧客ターゲットの明確化が必要」。不特定多数に売ろうと考えると、焦点が曖昧になり、「可もなく不可もなくの商品になる」ことが理由の一つ。また、メインのターゲットを明確にイメージし、魅力を感じ取ってもらえるかどうかを考えていくことが重要なプロセスである、と説明しました。

 

地域の魅力を見出すには、「5つの視点が必要」と三宅代表は提案。一つ目は、“モノではなくコトを見る”こと。商品を単にモノとして売るのではなく、地域のストーリーや産地としての定評を加えて価値を上げていくことが重要で、二つ目は、“地域の資源を視点を変えてみる”こと。地域の資源を「どのような視点で見つめ直すか」が価値を引き出す重要な鍵で、次に“細部にまでこだわること”。四つ目は“古いモノを現代に合うように生かす”ことで、最後に、時代のニーズや社会の変化をいち早く察知すれば、今後求められる商品・サービス像が的確に把握できることから、“次の時代を読み、価値に気付く視点を広げる”ことである、と提言。

 

農林水産物・食品の地域ブランドの目指すべき姿とは、まず、モノの価値(食味、栄養などの品質)を確立し、地域と密接な関連性を持つことが一つ。次に、それらを伝えるための適切な表示やパッケージなど売り方を工夫し、消費者の信頼を裏切らないブランド管理を行うことなどと持論を披露しました。

 

第2部の交流会は、三次市域の地域資源を生かし、農業の6次産業化を推進している生産者同士のネットワークづくりを支援する目的で開かれたもので、10の個人事業者・事業所が出展。出品品目は延べ約50種類におよび、各出展者が自慢の商品やこだわりの味を自信たっぷりにPR。地元農畜産物の加工品、米粉関連商品など目移りするほどの品揃えで、ふるさとの味や珍しい食材を求めて訪れた市内の食品関係者など多くの人で賑わいました。

 

物珍しさから注目を集めていたダチョウ飼育業の“広島県布野オーストリッチ株式会社”は、国産だちょうサラミ、オーストリッチソーセージなどを出品。ソーセージをホットプレートで焼き上げて試食を振る舞いながら、「ダチョウが持つ新たな食材としての可能性を追求している」と自社の取り組みをアピール。

 

“JA三次やきごめ部会”は、三和町特産の焼き米を紹介。焼き米を魚介入りのパエリア風にアレンジし、幅広い用途の食材として利用できることをPRしながら、「非常食としても利用できる」と商品を売り込んでいました。

 

“農事組合法人ファーム紙屋”は、玉ねぎのワイン漬け、玉ねぎのカレーピクルスなど、地元農産物を洋風・エスニック風にアレンジしたユニークな手づくり惣菜を出品。三次産米のおにぎりとともに試食をすすめ、地元農産物を生かした加工品のおいしさを伝えながら、訪れた人たちに地産地消の大切さを訴えていました。

 

個人で参加した農業の山下雅弘さんは、丹精込めて作った赤肉メロン、ミディトマトの出来栄えを披露。「赤肉メロンはカロチン豊富で夏バテ対策にも効果的」「栄養価の高いミディトマトは夏にぴったりの食材」などと商品のセールスポイントを説明しながら、自慢の味をPRしていました。

 

「三次地域には農商工連携の芽となる資源が数多く眠っているが、案外、地元の人がそのことに気付いてない」と主催者の一人で、三次広域商工会の山崎祐輔主任。「地元の人に地域資源を再認識してもらうと同時に、生産者同士の交流を促し、農商工連携につながるネットワークの構築を支援したかった」と開催の趣旨を語り、生産者同士の新たな連携による取り組みに期待を寄せているようでした。

 

●お問い合わせ/三次広域商工会 TEL(0824)44-3141

 

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