事業所紹介―有限会社瀬戸田観光社(尾道しまなみ商工会)
地域に寄り添い続けて60年。旅のカタチは時代を越えて、観光型から体験型へ
投稿日:2025.07.08

島ならではの遊びや楽しさを提案してくれる山本さん
尾道市瀬戸田町で約60年にわたり旅行業を営む「有限会社瀬戸田観光社」。昭和40年の創業以来、地域に根ざしながら、お客様一人ひとりに寄り添った“オーダーメイドの旅”を提供してきました。広島県内では登録番号「42号」、大手を除く中小旅行会社としては3番目に古い歴史を誇ります。
現在は二代目の山本裕信さんが代表取締役を務め、45年以上にわたる豊富な業界経験を活かして、団体・個人問わず柔軟に対応。関東圏の旅行会社での勤務経験もあり、東京や北日本方面への旅行に強みを持つほか、西日本全域の旅の手配も得意としています。
大手パッケージ商品の販売も行っていますが同社の特徴は、細かな相談を受けながら一から作り上げる旅行プラン。例えば、年配の方にはバリアフリーや浴室の設備に配慮した宿泊先を提案するなど、旅先での安心感にも配慮。「美味しいものが食べたい」「建築を見たい」といった希望にも応えながら、移動手段、宿泊、食、体験といったすべてを丁寧に組み立てます。
コロナ禍では旅行業界全体が大きな影響を受け、団体旅行は激減。「もう駄目かもしれない」と感じた時期もあったそうですが、粘り強く乗り越え、現在は個人客や小規模旅行の相談が増加。対面相談が難しくなった今だからこそ、小回りの利く同社のスタイルが改めて注目されています。
近年では、地元・瀬戸田周辺の観光資源を活かした体験型アクティビティの企画にも力を注いでいます。潮の流れにまかせて船上で食事を楽しむ「流し船」体験や、愛媛県大島市での御影石の採掘場見学、磯遊びや貝掘り体験など、島ならではの滞在型観光を提案。観光客の滞在時間を延ばし、地域経済にも貢献することを目指しています。
また、増加するインバウンド(訪日外国人)客にも対応できるよう、翻訳アプリや端末の導入も検討中。欧米の観光客に向けて、自転車観光だけでなく、地域住民との交流や文化体験にも力を入れたいと山本さんは話します。「時代の変化に応じて、常に情報を集め、お客様にとって最善の旅を提案したい」。そう語る山本さんの姿勢に、老舗旅行会社としての信頼と、地域観光を担う担い手としての情熱を感じました。
住所/尾道市瀬戸田町瀬戸田349-12
TEL/0845-27-0517
営業時間/9:00~18:00(土曜は~13:00)
定休日/日曜・祝日