事業所紹介-株式会社セイエン(呉広域商工会)

「曲げられない」を曲げる、パイプ加工のスペシャリスト。長年培った高度な技術を武器に、製造業の新たな可能性を切り拓く

「自社では当たり前だった技術の価値を、もっと多くの人に知ってほしい」と話す新井文武社長

 呉市音戸町にある株式会社セイエンは、1961年創業の青園鉄工所をルーツとするパイプ加工の専門企業です。主に自動車のエンジンルーム内で使われるパイプ部品を製造し、曲げる、広げる、縮めるといった高度な加工技術を磨いてきました。中でも得意とするのが、パイプ加工で最も難しいとされる「曲げ」。他社では難しい複雑な形状や角度にも対応できる高い技術力を誇ります。

 

 一般的に、複雑な形状のパイプは複数の部品に分けて加工し、溶接してつなぎ合わせます。しかし、同社では高度な曲げ技術によって、一本のパイプから複雑な形状を生み出すことが可能。接合部分を減らすことで、液体や気体の漏れを防ぎ、コスト削減や品質の安定にもつなげています。2016年には、M&Aで世界一の中小企業連合を目指すONE GROUPに参画。長年培ってきた技術を生かし、全国の製造現場が抱える課題の解決に取り組んでいます。

 

 さらに今、同社が普及に力を注いでいるのが、新たな溶接技術「気密プロジェクション」です。従来のパイプ接合では、ロウ材を溶かして部品同士をつなぐ「ロウ付け」が一般的でしたが、この技術ではロウ材要らずで電気を使って瞬時に接合。これまで1カ所につき7~10秒かかっていた作業が、わずか0.1秒で完了します。ロウ材が不要になるため材料費を削減できるほか、接合強度は従来の約1.5倍。加熱に必要なエネルギーを抑えることで、CO2排出量の削減にも貢献します。従来は両立が難しいとされていたプロジェクション溶接と気密性を実現した画期的な技術として、2024年12月と2025年3月に2件の特許を出願しました。

 

ジモカン_掲載画像

 2023年に代表に就任した新井文武さんは、製造業とは異なる業界から転身してきた経歴の持ち主。「現場では当たり前にやっていることが、実は他社にはできない技術だった。お客さまから驚かれて、その価値に気づくことも多い」と話します。現在は気密プロジェクションの事業化を進めるとともに、展示会や商談会を通じて技術の普及に尽力。長年受け継いできた職人技と新たな発想を掛け合わせ、ものづくりの可能性を広げています。

 

●株式会社セイエン

住所/呉市音戸町渡子1-5-5

TEL/0823-51-2644

営業時間/8:00~17:00

休み/土日曜

HP/ https://seien21.com