事業所紹介-島BASE(大崎上島町商工会)
教育と地域交流を軸に、大崎上島の多世代が集い新たな価値を生み出す場所へ

「趣味を仕事にしたい人や何かをやりたいと思っている人が、最初の一歩を踏み出せる場所にしていきたいです」と平岡さん
「島BASE」は、大崎上島町にあるコワーキングスペースです。ドロップイン(一時利用)や月額での利用はもちろん、法人・個人の住所利用、イベントや貸切利用にも対応。プロジェクターやスクリーンを備え、打ち合わせから勉強会、販売イベントまで幅広く活用できる空間です。町の中心部、小中学校の近隣に位置することから、教育や地域活動の拠点としても注目されています。
運営するのは、東京都出身で元システムエンジニアとして活躍した平岡幸人さん。大学卒業後は、英語力を活かして海外プログラマーと協働しながらシステム保守運用業務に従事してきました。そんな平岡さんが縁もゆかりもない大崎上島に地域おこし協力隊として移住したのは8年前のこと。教育に関心を持っていた平岡さんは、「教育の島」と呼ばれる大崎上島町に可能性を感じるとともに、熱意ある多くの教育関係者と出会い移住を決意しました。「この環境で働けたらきっと面白いと感じました」と当時を振り返ります。
任期中は広島県立大崎海星高校の魅力化プロジェクトの一環で、放課後学習支援に着手。寮が設置されたこともあり、島外からの生徒も増加したことで、統廃合の危機から学校を救うことに貢献しました。その後は一般社団法人まなびのみなとの立ち上げに携わり、町の教育委員会が打ち出した「GIGAスクール構想」の推進や情報化に関する計画策定の支援など、町の教育改革にも深く関わっています。

組み合わせると大崎上島のカタチになるユニークなテーブル。地元の大工さんのお手製
「島BASE」を前経営者から引き継いだのは2025年4月。「島の拠点を守りたい」との思いから運営を継続し、今ではコワーキングスペースとしての役割にこだわらず、多彩な活動が展開されています。小中学生向けのプログラミング教室に加え、大人向けの講座も企画中。木曜と土曜には漁師による鮮魚・惣菜の直売が行われ、地元の味を楽しめる場として賑わいます。さらに施設内のキッチンでは、一般社団法人島つむぎが大崎海星高校の下宿生に手作りの食事を提供するなど、教育と暮らしを支える取り組みもスタートしました。また、平岡さん自らが焙煎したコーヒーも魅力の一つ。利用者は購入した豆をその場で挽いて、ドリップコーヒーを楽しむこともできます。
「島BASE」という名前には、“島のさまざまな人やものが集まる拠点=BASE”という意味が込められています。コワーキングスペースの枠を超えて、子どもから大人まで多様な人々が交わり、新しい価値を生み出す場へと成長中です。地域課題に立ち向かう挑戦の舞台であり、移住や起業、交流の一歩を後押しする場所として期待されています。
●島BASE
住所/豊田郡大崎上島町中野1868-4
TEL/080-6543-6591
営業時間/9:00~21:30
休み/土曜・日曜・祝日(応相談)