事業所紹介-なおしや(広島東商工会)
もう一度着られる一着へ。高い技術と発想力で思い出の服をよみがえらせる洋服のお直し店

「捨てる前に一度相談してほしい」と話す店主の三宅栄子さん。一人ひとりの思いに耳を傾けながら、最適なお直しやリメイクを提案しています
「お気に入りだから、もう一度着たい」「大切な人から譲り受けた服を手放したくない」。
そんなお客様の思いに寄り添い、一着一着に新たな命を吹き込んでいるのが、広島市東区にある「なおしや」です。洋服や着物のお直し、リメイクを手掛ける同店は、他店では断られることも多いダウン製品の修理を得意とし、その高い技術を求めて県内外から多くの依頼が寄せられています。
店主の三宅栄子さんが洋裁に携わってきたのは20歳の頃から。洋裁学校で学んだ後、販売店や洋裁店などで経験を積み、自宅での独立やお直し専門店での勤務を経て現在の店舗を構えました。50年以上にわたり洋裁に携わり、お直しやリメイクの実務経験は約45年。豊富な経験に裏打ちされた確かな技術と、自由な発想力が三宅さんの大きな強みです。
三宅さんが大切にしているのは、「修理」ではなく「もう一度着たくなる一着」へと生まれ変わらせること。依頼者の話を丁寧に聞き、「どんな思いがあるのか」「これからどう着たいのか」をくみ取りながら、その服に最もふさわしい方法を提案しています。特に人気なのがダウンジャケットやダウンコートの修理です。破れや焦げ穴、猫の引っかき傷などさまざまな傷みに対応し、ポケットの内側などから共布を取り出して補修することで、できるだけ目立たない仕上がりを実現しています。また、レザーを組み合わせてデザイン性を高めたり、傷みの大きなコートをロングベストへリメイクしたりと、服の魅力をさらに引き出す提案も得意です。

ダウン製品の修理や洋服・着物のリメイクなど幅広く手掛ける「なおしや」。思い出の一着をよみがえらせたいと、多くの人が訪れます
リメイクの内容は実に多彩。着物を洋服へ、ワンピースをスカートやロングベストへ、レザーコートをバッグへと姿を変えるほか、思い出のウエディングドレスを子ども用のドレスへ作り替えたこともあります。後ろファスナーの位置を生かしたデザイン変更や、レースを組み合わせたサイズ調整など、一着ごとに異なる条件に合わせて最適な方法を考えるため、同じ仕事はほとんどありません。
日常のお直しにも幅広く対応しています。学生服の穴あき補修や裾上げ、ウエスト調整、パジャマの修繕など、暮らしに身近な依頼も数多く手掛けています。より高度な修復技術である「かけつぎ」にも対応しており、レザーやニットなど特殊素材の修理も可能です。
「技術も必要ですが、一番大切なのはアイデア」と話す三宅さん。難しい修理ほど職人魂に火が付き、少しでも納得できなければ何度でもやり直すという妥協のない姿勢が、多くの信頼につながっています。思い出が詰まった一着を、これからも長く着続けられるように——。なおしやは、服だけでなく、その一着に込められた大切な記憶も一緒に未来へとつないでいます。
●なおしや
住所/広島市東区中山東3-1-2
TEL/082-289-0805
営業時間/12:00~19:00
定休日/水曜、第1・第3木曜

