事業所紹介−家具工房 ムゥ(広島県央商工会)
古民家の工房で家具職人が丁寧に作ったキッチンウェアがまもなく販売開始

「工房の見学も可能です。気軽に遊びに来てください」と熊野さん
東広島市豊栄町の高台に佇む古民家を工房に、2024年に独立した家具職人の熊野浩司さん。北海道旭川にある家具店で無垢の家具を製作する家具職人として経験を積み、10年前に帰郷してからは広島県廿日市の特注家具を製造する企業で腕を磨いてきました。現在は工務店や家具会社からの依頼を受け、店舗什器や造作家具を手がけるBtoBの仕事を中心に活動しています。
職人として何より大切にしているのは「納期を守ること」。大量生産とは異なるオーダーメイドの世界では、「信頼が最も重要」と熊野さんは話します。また、デザイン面では奇をてらうのではなく、シンプルで堅実、使い勝手の良さを重視した“工業デザイン的な考え方”を大切にしたものづくりを実践しています。
そんな熊野さんが次に見据えるのが、無垢材を使った個人向け商品(BtoC)への展開です。第一歩として、「キッチンウェア」1アイテムを商品化する計画が進んでいます。もともと自宅用に作ったものでしたが、知人に好評だったことで商品化に着手。素材には防虫剤を使っていない国産材を採用し、口に触れる可能性がある商品として安心できる材料にこだわります。

まもなく完成するキッチンウェア
今後は雑貨だけでなくイスやテーブルといった家具の製作もスタートさせる予定。「昔ながらのシンプルなデザインに仕上げ、使いやすさを重視した美しい形を追求していきたい」と熊野さん。無垢材の家具は、簡単なお手入れをしながら長く愛用できるのも魅力。家族と一緒に月日を重ねた経年変化も楽しめます。本格始動は試作を重ねた再来年頃を予定。そこには、よりいいものを提供したいという職人らしい哲学が光ります。
商品化中のキッチンウェアは11月2日(日)に同町で開催された「セントルマルシェ」で試作品のアンケートを実施しました。実際の消費者の声を反映しながら商品のブラッシュアップを進めています。また、12月には、県央エリア(豊栄町・福富町・河内町)の商品をブランド認定する「セントルマルシェ・プライム」の認定審査会に参加予定。認定されれば広島県央商工会発行のパンフレットにも掲載される見込みです。キッチンウェアは受注生産のため、購入希望の方は電話またはメールでお問い合わせください。
BtoBで培った確かな技術と、古民家の工房から紡がれる静かな情熱。家具工房ムゥの挑戦は、これからBtoCの世界へと広がります。
●家具工房ムゥ
住所/東広島市豊栄町吉原691-1
TEL/080-6321-6058
E-Mail/muw.woodcraft@gmail.com

