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ニュー備後絣の開発に挑戦(福山市新市町)

[新素材の“和紙の糸”を使って、伝統産業の再興を図る]

事業所・店舗紹介

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新素材、和紙の糸を使って作ったニュー備後絣ネクタイ

 新たな産地ブランドを発信し、地域の伝統産業の振興普及を図ろうと、福山市新市町の新市商工会が地元の備後絣協同組合などと共同で、“ニュー備後絣”の特産化に取り組んでいます。地元備後の撚糸業者が開発した“和紙の糸”を使って新たな絣を作ろうという試みで、経済産業省の「地域振興活性化事業」を活用。国と市からの補助金700万円で、新素材を応用したジャケット、シャツなどを試作。衰退する伝統産業に新たな風を吹き込みながら、時代をつないでいこうとしています。

 備後絣は九州の“久留米絣”、四国の“伊予絣”と並ぶ日本三大絣のひとつ。江戸時代末期、芦品郡有磨村(現福山市芦田町)の富田久三郎が考案し、新市町を含む旧芦品郡一帯で生産され全国に販路を広げていきました。その後、繊維業界の不振、絣の需要の減少とともに生産量は減少。最盛期には250社あった織元も、今では周辺地域を含め5社しか残っていません。

 「このままでは備後絣は幻になりかねない」と同商工会の江草純事務局長。伝統産業の衰退に危機感を募らせた同商工会は、同組合、備後地域地場産業センター、県立東部工業技術センター、しんいち歴史民俗博物館などと連携し、昨年7月からニュー備後絣の試作品化のプロジェクトを開始。新素材の和紙の糸を活用した、付加価値の高い産地ブランド商品の開発研究に取り組んできました。和紙の糸は“水撚り糸”と呼ばれるもので、水で濡らしながら通常より強い力で撚りをかけた強度の高い糸。なめらかな美しさが特徴で、その特性を生かしながら従来の綿、ウールなどと組み合わせたりして、風合いや配色、快適性などを探ってきました。「例えば洋服地に適しているのか、室内インテリアにも活用できるかなどさまざまな試みを行った」と江草事務局長。開発研究の結果、ジャケット、シャツ、ネクタイ、マフラーなどの試作品が完成。

 成果品を目にしてもらい、ニュー備後絣をもっと身近に感じてもらおうと、今月14日に東京で始まった日本最大のギフトと生活雑貨の見本市「第61回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2006」に試作品を出展。用途の研究だけでなく、積極的な情報発信も行っています。

 同商工会では、ニュー備後絣の実用化・商品化に向け、今後さらに製品開発を進めていく予定。同時に伝統の技法を守りながら、新たな販路、市場開拓にも挑んでいきたい考えのようです。

●お問い合わせ/新市商工会 TEL(0847)52-4882

(2006-02-08-A)

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