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マツタケの人工栽培を実現(世羅郡甲山町)

[年間を通じての出荷を可能とし、雇用促進などの波及効果にも期待高まる]

事業所・店舗紹介

なし

匂い、食感はマツタケそのもの。生で食すことも可能

 最近、数々のマスコミなどに取り上げられている“融合マツタケ”を、みなさんはご存知ですか。マツタケといえば高価な食材で、1本で数千円は当たり前。これが人工栽培によって半額以下にして誰でも食べられるとすれば、私たちにとっては見逃せないニュースですね。

 マツタケは生きた松の根に寄生して菌根を作り、そこから発生するキノコで、活物寄生菌や菌根菌と呼ばれるキノコの仲間です。多くの人の口に親しいシイタケ、ヒラタケなど他の栽培されているキノコ類(腐生菌、死物寄生菌)とは異なり、原木やおがくずによる完全な人工栽培は難しいキノコとされていました。この研究者の夢ともいわれたマツタケの人工栽培に22年前から取り組み、人工栽培のマツタケの安定生産をようやく可能にした事業所が世羅郡甲山町にあります。古来より同町はマツタケの出荷高においては日本一で、昭和45年ごろのピーク時には年間約150万トンの出荷高を誇っていました。近年、マツクイムシによる赤松の枯れ、酸性雨の影響、また地域の高齢化によって山の手入れが行き届かないなどといった問題により、生産量はピーク時の約10分の1程度まで減少しました。ですが、現在でも県外産などの取り扱いを含め、取扱高日本一の地位は保ち続けています。

 マツタケの人工栽培に成功したのは、同町川尻の(有)東洋きのこ農園。同社が生産する融合マツタケとは、マツタケから分離したマツタケ菌をシイタケ菌に融合させたもので、これをおがくずと5種類の栄養素を混ぜ合わせた菌床に植え付け、人工的な栽培を行います。朝もやの状態を再現するなど徹底した温度管理のもとで融合マツタケは人工栽培されており、融合を繰り返す過程においてマツタケ菌の分量を増やすことで順次その純度を高め、同社では最終的に純粋な人工栽培マツタケの生産をめざしています。融合マツタケは現在、DNAを分析中ですが、匂いと食感はマツタケに似ており、生でも美味しく食べることができると好評です。また、安定生産が可能となったことで年間を通しての出荷が見込めることに加え、生産工場や2次加工品の製造現場において新たな雇用が生まれるといった波及効果に地元の期待も大いに高まっているようです。同町の甲山町商工会は同社をベンチャー企業であると認識したうえで、今後の販路開拓などへの協力に前向きな姿勢を示しており、経営指導員の進藤大輔さんは、「町内の飲食店において甲山ならではの料理として提供できるよう働きかけたい。さらに、わざび漬けや佃煮などの2次加工品も町と連携して開発し、新たな甲山の特産品として売り出していきたい」と、融合マツタケに大きな期待を寄せているようです。なお、融合マツタケは同町の甲山いきいき村で店頭販売されているほか、通信販売でも購入が可能です。また、近日中にインターネットでの販売も行われる予定です。販売価格200g3,500円。

●お問い合わせ/(有)東洋きのこ農園 TEL(0847)25-5366(個人消費者向け問い合わせ)
●お問い合わせ/大喜商事(株)TEL(084)953-8484(業者向け問い合わせ)
●お問い合わせ/甲山町商工会 TEL(0847)22-0529

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