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わがまちの元気な企業-オートフォーラム

“福祉車両”を通じて多くの人の自由な移動を実現し、地域社会に貢献する企業

事業所・店舗紹介

広島県商工会連合会東部支所

わがまちの元気な企業-オートフォーラム

▲「自由に移動したい」と願う人の思いを叶えようと、福祉車両のカスタムに励む小林勇社長。

 

通勤や買い物など、私たちの日常の移動手段として不可欠な自動車。でも、身体にハンディキャップがあるなどの理由で、その自動車に乗ることに困難を抱えている人も少なくありません。そうした人たちの移動を便利で快適なものとし、生活の大きな支えとなるのが“福祉車両”。福祉車両とは、身体が不自由な人や高齢者が使いやすいよう、さまざまな工夫が施してある車両のこと。この福祉車両を通じて、地域住民の豊かな生活の実現を支援して、地域に貢献している企業が福山市神辺町にあります。自動車を通じてたくさんの対話と交流の輪を広げていきたいと名づけた社名は、“オートフォーラム”。新車中古車やオートバイ、原付の販売・整備、車検などを主業務とする企業ですが、近年、福祉分野への進出を図り、福祉車両などの販売と製造を新たな事業の柱に育てようと力を入れています。めざすは、たくさんの人の“もっと移動に自由を”の願いをかなえて、地域に貢献できる企業づくりです。

 

小林勇現社長の先代が昭和35年(1960年)に同市加茂町に立ち上げた、自転車とオートバイの販売修理業“小林輪栄店”が同社の前身。先代は地域に根ざした事業活動を行いながら業務を拡大させ、やがて家業を引き継いだ小林社長が神辺町へと会社を移転したのが今から3年前のこと。国道182号沿いの好立地ながら、近隣には同業他社が多数。以前に増して競争が激しくなると見た小林社長は、「2輪と4輪を足しただけでは競争力の強化にはつながらない」と新事業の立ち上げを決意。以前から構想していた福祉車両を、新たな事業の柱に加えることにしました。

 

小林社長が信条としているのが、“福祉車両を通じた豊かな生活の実現”。ひと口に福祉車両といってもその機能はさまざまで、使う人によってもいろいろなタイプに分かれます。福祉車両を大きく分けると、“介護式”と“自操式”の2種類に大別することができます。介護式とは、私たちが一般に想像する、身体の不自由な人の介護や送迎に利用できる車両のこと。もう一方の自操式とは、身体の不自由な人が自分で運転するための車両のことをいいます。高齢化に伴い市場が堅調に拡大しているのは介護式ですが、「日常の移動に不便や困難を感じている、あらゆる人のための事業活動でなければ意味がない」と、小林社長は豊富で多岐に渡る介護式と自操式の両方の分野に挑む決意を固めて新事業に着手。身体の不自由などの理由によって移動に不便を感じている人たちに、“もっと快適な移動空間を”“介助なしに運転できる喜びを”。そう考えながら新事業への挑戦に取り組んでいます。

 

長年培った技術を生かした、多種多様で高度なカスタムテクニックが同社の強み。メーカーから仕入れた車両を直接ユーザーに販売する場合もありますが、身体の不自由な人たち一人ひとりの実情やニーズを理解したうえで行う、オーダーメイドの車両づくりが同社の持ち味です。オーダーメイドには2通りの方法があり、ひとつが“介護用車両”の設計や改造など。もうひとつが“運転補助装置”の取り付けや改良など。

 

介護用車両については、ユーザーからの案件に対して、メーカーから仕入れた部品を駆使して車両のコーディネートを行っていきます。例えば、中古のワンボックスやミニバンに折り畳みタイプの昇降リフト、簡易スロープなどを取り付けて、足の不自由な人や高齢者の乗り降りを手助けしたり、電動ステップを設置して乗り込みを容易にするサポートをしたり、その内容は実に多岐に渡ります。昇降リフトは全自動タイプ、半自動タイプのどちらの装着にも対応し、電動ステップは小型車から大型車まで幅広い車種への設置が可能で、さらに手すりパイプ装着することで乗車はもちろん、車内の移動や着席まで快適にすることもできます。細かなところでは、車両のドア部分にアシストグリップを取り付け、足腰の弱い人の簡単に乗り込みを実現するなど、利用者の目線に立った繊細な配慮を注ぎながら、一台一台を丁寧にその人にとっての安心で心地よい移動空間へとコーディネートしていきます。「メーカーから購入の場合、新車+オプションの扱いとなり、当然コストも割高になる。当社でなら今ある中古車で、理想の移動空間実現のお手伝いができる」と小林社長。自動車はただ単に人を運ぶだけでなく、身体の不自由な人にとって“自由に移動できる喜び”も同時に運ぶものであってほしいと考えています。

 

もうひとつの運転補助装置は、自動車の運転が困難な人を支援するための装置で、障害など何らかの原因で運転が難しくなった人に「もう一度、運転する喜びを感じてもらいたい」と小林社長が力を入れている分野。本来、手足が不自由な人が操作することを考えると難しい問題でもあり、より個に添った適切なサポートが求められますが、小林社長はここでもユーザーのニーズに的確に対応していきます。メーカーから仕入れた部品を使ってオーダーメイドする点は介護用車両と同じですが、作業にはいっそうの繊細さを発揮します。

 

例えば、両下肢が不自由でブレーキを踏む力のない人に対しては、手動運転装置(ユニドライブ)でサポート。コントロールレバーを押すとブレーキ、引くとアクセル操作が行えるというもので、コントロールレバーから手を離さずにウインカーやホーン、ブレーキロックなどの操作を手元で手軽に行うことが可能に。右下肢が不自由な人に対しては、左アクセル装置でアシスト。既存のアクセルはストッパーで固定し踏めないよう安全設計を施して、左足でアクセルやブレーキ操作できるのを可能に。手動運転装置はレバースイッチのレイアウト変更にも応じ、左アクセル装置はペダル位置の微調整や多車種への対応も図るなど、個々の実情に応じたきめ細やかな支援を行います。このほかにも、片手でのハンドル操作を容易にするウィンカーレバーや旋回グリップをはじめ、多種多様な補助装置や器具を自在に車内にレイアウトして、自動車の運転が困難だった人に、安全とともにもう一度走ることのできる喜びを届け続けています。小林社長のもとには最近、「5年ぶりに自動車を運転できたことに感動した」という喜びの声も寄せられたといいます。

 

安全な乗降をサポートする乗り降りステップ、車椅子の積載を容易にする積み降ろしキャリア、車内での席の移動が楽になる移乗サポートシート、体側を支えて乗車中の安定性を高める体側サポートパッドなどの乗車補助用品や、車内の手すり、吊り下げグリップ、杖留めなどの便利グッズも多数取り扱っています。加速度的に進行する高齢化社会を見据えて、「今は特別なものとして目に映るかもしれないが、10年、20年も経てばどの家にも当たり前にあるはず」と小林社長。小林社長はこれらの補助用品や便利グッズを販売だけでなく、お試しサービスとして提供することを考えており、ユーザーのニーズにあらゆる角度から対応し、役に立つことを形にしていきたいと話します。

 

“福祉車両”というキーワードを通じて地域住民の豊かな生活の実現を支援したいとする、小林社長の“福祉車両の総合コンサルティング事業展開”の計画は今年3月、経営革新の承認を取得。事業に対する評価や同社のもつ技術は公的にも高く認められ、地域社会に貢献する企業として今後ますますの発展が期待されています。

 

現在、同社の専属スタッフは小林社長を含めて2人と少数。ユーザーのあらゆるニーズに対応するための体制を強化することがこれからの課題です。その一方で同社は、全国各地の同業者とネットワークを結び、福祉車両に関する情報の交換や技術の交流を図り、単独では対応が困難な課題の解決などに役立てています。ネットワークは現在全9社で組織され、電動ステップが雪で凍るなどの思わぬ障害には、北海道札幌市や帯広市などにあるサポート店がトラブル回避のテクニックをアドバイス。それを迅速に自社業務にフィードバックできるなど、当面の人数不足を補うだけのネットワークがあるのも同社の強みのひとつです。

 

より高い技術力の提供に努めていくのはもちろんですが、小林社長がいちばんに考えているのが、ユーザーにより安心と安全を届けること。そのために心がけているのが、対話重視の姿勢。社名のとおり、自動車を通じた対話、交流のある企業づくりに取り組んで、身体の不自由な人たちには自由に移動できることの喜びを、その介護にあたる人たちには負担の軽減と心強い安心を与えたいという事業理念を着実に実践しようと、小林社長は日々の自社業務に励んでいます。

 

オートフォーラム
福山市神辺町川南337-8
営業時間/午前8時30分から午後7時(日曜日は午前10時から午後6時)
定休日/祝日

 

●お問い合わせ/オートフォーラム(株式会社小林輪栄店) TEL(084)963-2212
●お問い合わせ/広島県商工会連合会東部支所 TEL(084)960-3107

 

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