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わがまちの元気印-広島自動車販売

新たな事業の柱を生みだそうと、安全靴の自社ブランド「広島型靴」を本格展開

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沼隈内海 商工会

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わがまちの元気印-広島自動車販売

▲自社ブランドの「広島型靴」を手に、宮本一也社長と奥さんのゆかりさん。

 

福山市と尾道市に挟まれた沼隈半島西岸の町、福山市沼隈町常石。100年余の歴史を持った国内有数の造船メーカーの城下門前町ともいえる町の一角で、静かに歴史を紡いできた小さな自動車販売店があります。早くから新規事業への進出を図って、「継続は力なり」を地で行く地域密着型ビジネスで近年、新規事業を軌道に乗せることに成功。

 

従業員数わずか5人の広島自動車販売有限会社。オイルショックを機に新分野進出を模索し、地場産業への参入を掲げて新規事業を立ち上げた先代からバトンを受け、家業の継承発展に取り組んでいるのが若き2代目、宮本一也社長。長年地域の発展を担ってきた造船産業への貢献度を高めながら、地域に愛され成長を続ける企業への進化を目指して日々の業務に取り組んでいます。

 

同社は1969年(昭和44年)に自動車販売・修理業を開業し、1972年(昭和47年)に法人化。それからわずか数年後、オイルショックによって地域経済が深刻な不景気に見舞われる事態に。「このままでは生き残れない」と悟った先代は、長年地域の発展を支えてきた造船業への参入を構想。その手段として、1979年(昭和54年)から工場作業者の安全を確保し、快適な職場環境を作るために必要な安全防災具や作業服、安全靴の取り扱いに着手しました。

 

一方の宮本社長は岐阜県で大学生活を送った後、「子どもたちとふれ合う仕事がしたかった」と、子ども向け玩具の企画開発・営業を夢見て、誰もが知る大手玩具メーカーの就職にトライ。折しも“就職氷河期”と言われた時代。そんな時代背景を物ともせず、2,000人を超す学生が応募し、内定者わずか5人の狭き門を宮本社長は持ち前のバイタリティを武器にクリア。

 

しかし、内定報告のために帰省した際、「継いでほしかった」と漏らした先代の本音が胸に響き、宮本社長はあっさりと内定を辞退。就職活動も後半戦に入り、新卒者を取り巻く環境が厳しさを増す中で、自動車ディーラーへの就職を決めました。ただ、「即、継ぐまでの勇気がなかった」として岐阜に残り、営業実務を通して自動車業界の動向や現状を学ぶことに意欲を燃やしました。

 

自動車ディーラーの営業マンとして社会人生活をスタートさせた宮本社長は、特異な営業スタイルを売り物にしてユーザーの心を掴み、販売実績を伸ばして行きます。自身のあだ名にちなんで“宮本くまごろう”と自ら進んで改名し、A3版サイズの巨大名刺を自作。営業マンには似つかわしくない度派手なスーツをトレードマークとし、外見、個性ともにインパクトある営業スタイルで勝負に打って出ました。ただのインパクト勝負ではなく、宮本社長にとってそれは自分の商品価値を高めるための工夫で、「自動車ではなく自分自身が商品。人間宮本を買ってほしかった」。ユーザーからは他人が真似できない人間味あふれる営業スタイルを高く買われ、入社4年目の春、母親の入院を機に帰郷を決意した時には、上司に退職願を聞き入れてもらえないほど周囲に愛されるキャラクターを確立していました。

 

1997年(平成9年)に実家に戻った宮本社長は既存事業の継承に加え、先代が立ち上げた新規事業の拡大にも力を入れました。宮本社長にとって満を持しての家業継承でしたが、「岐阜でのスタイルは受け入れられない」と悟るや、度派手なスーツ姿から一転、つなぎ姿の泥臭い営業スタイルを新たな持ち味にして、地元の造船関連企業や下請企業を中心に取り引きを拡大。ここでも持ち前のバイタリティを発揮して不況の逆境を打ち破り、新規事業の売上比率を5割近くにまで高めました。

 

新規事業の主力となる製品は安全靴。口コミで評判が広がり、全国から注文が相次いでいます。その品質向上に大きな役割を果たしたのが宮本社長で、メーカーから仕入れた安全靴をそのまま納入先に納品するだけでなく、常に現場作業者の声を拾い集めてはメーカーへフィードバック。現場作業者の使用感の不満を取り除いて顧客満足を高めようと、宮本社長はメーカーと連携して、利用者目線に立った使い勝手重視の製品改良に力を注いできました。

 

縫い目のゴムコーティングや縫い目上に鋲止めするなど耐久性の向上を図ったほか、靴のアッパー部分やソール部分の独自の組み合わせで作業性の向上を図るなど、既存の安全靴の改良や開発を繰り返しました。より付加価値の高い製品づくりを目指して、現在ではメーカーに製造を委託し、2003年(平成15年)からは「広島型靴」のブランド名で製品を販売しています。

 

同社のオリジナル安全靴は、高い耐久性を持ち、熱、油、薬品に強い靴底の“SS-33広島型靴”、合成ゴム使用の靴底で耐滑性、耐油性、耐磨耗性に優れた“533広島型靴”、533広島型靴のつま先部分に鋼板を取り付け、革の破損やはがれを防止した“533-OS広島型靴”、耐熱甲革、耐熱ゴム底、中底、縫い糸にも優れた素材を使用した“1704赤マジック靴”の4シリーズ。

 

宮本社長は自社ブランド安全靴の販売を本格的に事業展開して、第2の事業の柱を生み出そうと今夏、経営革新にチャレンジしました。もともとのきっかけは、所属する沼隈内海商工会青年部の部会後にたまたま目にした、部屋の片隅に積まれた小冊子。経営革新という見慣れぬ言葉が宮本社長の目に飛び込んできました。「過去にも耳にした記憶はあったが、よくよく聞いてみれば当社の安全靴にも当てはまる気がした」。持ち前の行動力を発揮して即、同商工会の支援を取り付けて申請書の作成に着手。それからわずか2か月後の8月末、『使用者ニーズを反映したオリジナル安全靴の開発および販路開拓』で見事経営革新計画の承認を得ました。

 

「苦労も多くが、それでも10年先、20年先を考えながら好きな仕事に打ち込みたい」と、新規事業領域のビジネス開拓を勢い良く進めて行きたいと宮本社長は話します。

 

アナログ人間を自称する宮本社長。「インターネットの時代にWEB注文の環境がないままでいいのか」と焦る気持ちがある反面、単にお金をもらって商品を売るだけの単純な商売のあり方も望んではいません。「やはり当社の一番の主力商品は“人”」と力強く言い切り、自分自身の原理原則を大切にして、一人でも多くの人に広島型靴を履いてもらえる環境整備にコツコツ取り組みたいと宮本社長。努力すれば道は開けるとの確信は製品に絶対の自信があるからこそで、「一度履いてもらえれば、必ずその良さが分かる」の言葉にも力強さがこもっていました。

 

広島自動車販売有限会社
広島県福山市沼隈町常石2166-1
定休日/日曜日・祝祭日

 

●お問い合わせ/広島自動車販売有限会社 TEL(084)987-2211
●お問い合わせ/沼隈内海商工会 TEL(084)987-0328

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