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わがまちの元気印-徳毛レジン

既存技術をベースに新開発した、介護向けに特化した浴槽で新規市場への参入目指す

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わがまちの元気印-徳毛レジン

▲モノづくり企業“徳毛レジン”をけん引し、新規市場参入に果敢に挑む徳毛裕介社長。

 

長年培った既存技術と時代のニーズを高いレベルで融合させて新製品を開発し、新たな市場への投入に挑もうとする企業が福山市芦田町にあります。FRP(ガラス繊維強化プラスチック)の製造加工を営む企業として、1977年(昭和52年)に創業した“有限会社徳毛レジン”。若き2代目経営者として事業活動の積極展開をけん引する徳毛裕介社長は、「新製品を作ったはいいが、どう情報発信していくかが今の課題」と語り、新製品を通じて自社の製品力や技術力を広く周知したいと意気込んでいます。

 

同社は創業以来今日まで、FRPの加工を一貫して自社で手掛けてきました。主力営業品目である医療・介護機器を中心に、住宅設備機器、遊具施設、各種機械カバーなど、FRP製品をさまざまな分野に提供しています。

 

顧客が求める製品の形状や数量に応じた成型法、加工法を選択し、顧客にカスタム製品を提供。その同社が最も得意とするのが、“ハンドレイアップ成型”と呼ばれる技術。これは、作業者がロール、刷毛などを用いた手作業で、樹脂とガラス繊維を交互に積み上げていく成型方法のこと。その特徴は、「少・中量生産に最適で、複雑な製品の成形に適応できる」と徳毛社長。人手による手作業のため、その仕上がりは作業者の熟練度に左右されやすいのも特徴の一つですが、同社は長年の経験に裏打ちされた確かな製品力、技術力に大きな自信を持っています。

 

同社はこれまで、注文を個別の仕様に対応させる、多品種少量ロットの受注生産を主に手掛けてきました。裏を返せば、売上が受注変動などの外部環境によって左右されやすいのが弱み。「折しも世の中は不景気。数年前から次第に新製品開発の気運が全社的に高まってきた」と徳毛社長。新しい製品を一から形作ることができるのが同社一番の強みで、製品力、技術力には絶対の自信。遡ること今から3年前、同社は新製品開発という新規事業を立ち上げ、新規市場を開拓して行こうと決意を新たにしました。

 

モノづくりはお手の物。「ただ、実際に何を作ればいいのか、顧客ニーズを捉えることに最も苦労した」と徳毛社長。顧客ニーズを把握するためのマーケティングなどを行った結果、同社が導き出したのが、「FRPオーダーメイド浴槽、承ります」という方向性。家族構成やライフスタイルに合わせた、世界に一つしかない“こだわりの浴槽”をオーダーメイドで製造しようという試みです。

 

既製品の浴槽では対応できない形状、理想の寸法を形にした浴槽など、浴室空間を最大限に生かした理想の浴槽づくりを高い自社技術によって実現しました。顧客が希望するデザイン、サイズを自由に設計。カラーも自由に選べ、1個単位で注文することを可能にしたことで、介護施設や特別養護施設の大型浴槽、個人宅の新築浴槽など、多くの納品実績を上げました。中小企業だからこそできるニッチなニーズを狙った試みを同社は見事に成功させました。

 

同社はこの取り組みによって、2009年(平成21年)3月、『新しいFRP素材の開発導入や新商品開発による差別化戦略の展開』で広島県の経営革新計画の承認を受けました。

 

その後、新事業展開で得たノウハウを生かし、介護・福祉分野の現場ニーズに応えた新製品、個浴用浴槽“ほほえみ”を今年開発。介護・福祉の現場で行われる入浴方法の一つに個浴入浴という入浴法がありますが、その方法にはメリットもあればデメリットもあるうえ、介護する人される人の負担も少なくありません。次なる手として、介護現場での負担軽減などを図ることで、広く社会に貢献しようと考えた徳毛社長は、個浴に特化した浴槽の開発に着手。現場ニーズに即した機能を付加し、個浴入浴の現場が理想とする浴槽を機能的な形で表現し、世に送り出しました。

 

どの方向からも介助、入浴しやすい4方向エプロン(前面パネル)対応で、設置場所を問わず多様な施工レイアウトを可能にし、据え置き・埋め込みのどちらにも対応。「入浴する人に笑顔になってもらいたい」の思いを込めたほほえみで、使う人が幸せになれるモノづくりを実現した一方で、徳毛社長は一抹の不満も覚えました。「過不足のない新製品で、目標は達成できた。ただ、使う人の立場に立ったモノづくりの視点が欠けていた」。

 

ほほえみには作り手の目線、悪く言えば作り手の都合が見え隠れすると感じたことが、一抹の不満が残った原因と考えた徳毛社長は、次なる新製品として、一人浴FRP浴槽“おふろ~ず”を開発し、今年9月に発表。職人が精魂込めて作り上げたハンドメイドのプラスチック風呂で、介護アドバイザー、青山幸広氏監修の下、介護・福祉の現場ニーズをとことんまで突き詰めて開発した新製品です。

 

一人浴を考慮した設計で、直角に近いバスタブにより、背もたれの角度が身体を優しく支えて座り心地も抜群。浴槽外側面の全4方向に握りやすいグリップを設けるなど、誰でも入りやすい安心設計を実現。専門家のアドバイスを受けながら、理想を形にする作業の一方で、「今後この新製品を売っていく上で、現場の実情を知らないままでは、自分の言葉に説得力は生まれない」。徳毛社長は現在、自社の経営業務の傍ら、個浴入浴を実践している地域の施設や青山氏のもとに通い、その道のプロたちの協力や職人の努力に恥じない営業活動を目指し、新たな知識を貪欲に吸収することにも余念がありません。

 

理想通りの新製品が完成した今、「今後は販売促進に力を入れたい」と徳毛社長。同時に、新製品開発で発揮した自社技術をより幅広い分野に役立ててみたいとも語り、「それを考え出すとワクワクする」と若者らしい笑顔を見せました。

 

●お問い合わせ/有限会社徳毛レジン TEL(084)958-4581
●お問い合わせ/福山あしな商工会芦田支所 TEL(084)958-5858

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