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わがまちの元気印-コーシンオート望

早くから経営革新に取り組み、写真付き作業報告書サービスで顧客から高い信頼得る

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神石高原 商工会

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わがまちの元気印-コーシンオート望

 

「自然と車の調和が私たちの願い」。そんな経営方針を掲げ、顧客密着型の事業展開で長く地域に愛され続けている自称“備後の田舎の車屋”。早くから経営革新に挑戦し、顧客志向の具現化に信念を持って取り組んでいるのが、神石郡神石高原町にある“コーシンオート望”。同社の延岡博行社長は、他に類を見ない独自サービスの確立によって差別化戦略に成功し、自社の息の長い成長を持続させています。

 

延岡社長が1994年(平成6年)1月、個人事業として立ち上げたのが同社の始まりで、その3年後に改組して法人化。もともと同じ地元の同業他社に勤務していましたが、後進に道を譲るために退職。独立開業の意思はまったくなく、「40歳を過ぎてハローワークに行っても、次の仕事はそう簡単には見つからない。1年くらい遊んでいた」と、当時を笑いながら振り返る延岡社長。ただ、その資質や能力を周囲は放っておかず、周りの声に押されて何とか重い腰を上げ、同社を立ち上げたという経緯。

 

「家庭が1番、地域が2番、会社が3番」。それが延岡社長のモットーで、従業員一同に繰り返し言い聞かせていること。「仕事をないがしろにしていいということではない。家庭や地域を大切にできない従業員が、仕事を大切にできるはずがない」。会社経営と同時に、延岡社長は人づくりにも細心の気を配っています。例えば、社員教育の一環として清掃を徹底していることもその一つ。同社では毎朝、清掃を通じて心を磨いた後、1日の業務がスタートします。

 

同業他社と差別化を図るための最良の手段と延岡社長が位置付けているのが、人の心。施設設備の充実、取扱車種の多寡、販売体制の強化などではなく、思いやりの心を持って顧客が喜ぶサービスを提供することが一番の差別化になると考え、その心を育むためにも人づくりには力を注いでいます。

 

延岡社長の思いが如実に感じ取れるのが、同社独自の写真付き作業報告書サービス。自動車の点検時などに整備の全過程をデジタルカメラで記録し、担当従業員の手書きのコメントを添えて作業の進捗状況を随時、顧客に報告するというもの。「自動車は一見無機質に思えるが、生き物である」。それが延岡社長の持論で、医師がレントゲンを撮り、それを患者に見せながら病状や検査結果を説明するのと同じことで、「単なる道具と捉えて自動車をぞんざいに扱うようでは、顧客に失礼」と延岡社長。

 

「恋人に思いを伝えるような気持ちで書け」。時には従業員を厳しく叱り、時には丁寧に添削指導を行いました。何のために写真を撮り、何のためにコメントを書くのかの意味を全従業員に理解させるまでに、約1年半かかったと言います。一つの工程を終えるたびに、丁寧に手洗いして写真を撮影。また次の工程へと移り、手洗いの後に写真撮影の繰り返しで、「アロエ成分配合の高品質石鹸が当社では大活躍」と笑う延岡社長。

 

この取り組みは同社が経営革新支援法の承認を受けるきっかけになったもので、それ以前はポラロイドカメラを使った地道なサービス展開でした。2005年(平成17年)4月に「中小企業経営革新支援法施行令等の一部を改正する政令」が施行され、広島県が全業種での経営革新を幅広く支援するようになって間もなくのこと。本県連東部支所が備後地域の会員事業所などを対象に開いた新法に関する説明会で、ごく数人の出席者の中に延岡社長の姿がありました。説明会後、かねてからの計画を担当職員に打ち明けたところ、「それならいけそうだ」との力強い言葉。

 

本県連東部支所の支援を受けながら申請書の作成に取り掛かり、同年8月、延岡社長は「設備効率化による写真付き作業報告書サービスの開始」で広島県の経営革新計画の承認を取得しました。結果、経営革新制度を活用して、その翌年に自社の整備工場を認証工場から指定工場へと格上げ。それまでは、福山市南今津町にある福山自動車検査登録事務所に実車を持ち込んで車検を通す必要がありましたが、指定工場移行後は車検に関する全ての作業を自社で行うことができるようになるなど、大幅に業務効率化を図ることにも成功しました。ちなみに神石高原町内に指定工場ができたのは、34年ぶりのこと。写真付き作業報告書サービスも顧客から高い支持を得て、「今では安心、信頼して従業員の取り組みを見守っている」と延岡社長。

 

社名にある“望”とは、生後わずか1か月で夭折した幼子の名前。「その子が生きていれば成人になる年まで頑張ろう」。独立開業以降、その目標を頭の片隅に置きながら、顧客や従業員のために毎日懸命に働いてきました。その年を迎えるまであと3年。

 

道の駅さんわ182ステーションの近くの国道182号沿いに本社機能を移し、業務の拡張を図りたい思いがある一方で、地元では法人による集落営農の取り組みをけん引し、時代に相応しい理想の里づくりを進めるまちづくりグループ “かみむら未来塾”の一員でもある延岡社長。ほどなくして再び後進に道を譲り、地域の食と農の健全化を図るとともに、子どもたちの夢を育む住み良いまちづくりに貢献したい。そんなふうに第2の人生を考え始めています。

 

●お問い合わせ/コーシンオート望 TEL(0847)85-4114
●お問い合わせ/神石高原商工会 TEL(0847)89-0001

 

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