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元気な社長ら熱く語る

福山市内各商工会地区から選ばれた4人の社長が、自身の経営哲学などを披露

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元気な社長ら熱く語る

▲写真は左上から時計回りに、宮本一也代表、江草賢吾代表、中村幸弘代表、細川晃代表。

 

ニッチな市場に新たな活路を見出し、独創的でユニークな事業展開を進めている元気なモノづくり企業のトップらが、それぞれの事業活動などについて語る「平成24年度広域新事業活動促進支援事業」が9日、福山市御幸町の広島県立ふくやま産業交流館(ビッグ・ローズ)で開かれました。同市内の各商工会地区から選ばれた4人の元気な社長が、新事業に取り組んだ経緯や背景、自身の経営哲学などを大いに語りました。

 

備後地域で事業活動を行っている会員事業所などを対象に開いたもので、企業の成長やビジネスの発展につながるヒントを得てもらうとともに、新しい人的・組織的ネットワークの構築に役立ててもらおうと同商工会が企画したもの。今年で3年目を迎え、約70人の参加者が元気な社長たちの話に熱心に耳を傾けました。

 

事例発表の一人目は、広島自動車販売有限会社(所属:沼隈内海商工会)の宮本一也代表で、発表テーマは「使用者ニーズを反映したオリジナル安全靴の開発と販売」。宮本代表は、商品を売るのも買うのも人であり、商売で大切なことは自分自身を商品と位置付けて、「まず自分を好きになってもらうことが大切」と独自の商売哲学を披露。「会社の一切PRはしない」「宮本という人間を好きになって帰ってもらう」などと述べ、自身の生い立ちや経歴をユニークな語り口で披露して会場を沸かせました。

 

自動車販売修理業の同社が、安全靴の自社ブランド“広島型靴”を立ち上げた経緯については、先代が新規事業として立ち上げた、地元の造船業を中心とした工場作業者向け安全靴の卸売業務の中で使用者の声に耳を傾け、現場のニーズを掘り起こした結果と説明。当初はメーカーから仕入れた安全靴をそのまま納品していましたが、数年前から使用者ニーズを汲み取り、既成の安全靴に補強や防水加工を施した商品の販売を開始。使用者の使用感の不満を取り除いて顧客満足を高めようと、メーカーと連携して使用者目線に立った使い勝手重視の製品改良に力を注いだことなどを紹介しました。

 

同社は現在、商工会と連携し、パブリシティを活用したPR戦略を展開。これは、自社商品を各種メディアに取り上げてもらうことで、自社商品に対する認知度を高め、購買意欲の喚起を図るための戦略。この戦略が奏功し、営業・宣伝活動をほとんどしていないにも関わらず、今では全国から注文が殺到。うまく戦略が当たれば、広告の何倍もの効果を発揮することなどを強調しました。

 

二人目の発表者は、有限会社B.S.クリエイト(所属:福山あしな商工会)の江草賢吾代表で、事例発表テーマは「ホテルマンのノウハウを生かしビジネスマナー指導に注力」。江草代表は昭和49年に“ホテル御三家”の一つ、ホテルニューオータニに入社し、以来、約40年にわたりホテル業界に従事。その業界経験を地元企業の発展に役立てたいと、教育を中心とした接遇コンサルタント業を立ち上げた経緯を説明。「従業員一人ひとりに相手を思いやる気持ちがあれば、健全なビジネス活動が実践できる」。その信念のもと、一般企業向けにビジネスマナー研修を行うほか、飲食店や金融機関などのサービス業を中心に指導を行っていることを紹介しました。

 

「“いらっしゃいませ”の一言も厳しく指導された」。駆け出しのホテルマンだった頃を振り返りながら、江草代表は第一印象の大切さを強調。思いやりの気持ちを持って人と接すれば、「相手に与える印象を変えることができる」と自身の経験をもとに、重みのある言葉で説明しました。思いやりを持つためには、「自分の身支度を整えること」などと、自分を律することの重要性を提唱。自分自身が自律できていれば、「堂々と接客ができる」と述べ、社長や同僚、部下にとってどんな自分だったかを改めて見つめ直し、「今一度相手を思いやって」と呼び掛けました。

 

従業員が思いやりマナーを身に付け、人間力を向上させることができれば、「会社の力も確実に上がる」などと江草代表の持論はヒートアップ。とりわけ挨拶はビジネスマナーの基本中の基本で、あらゆるビジネスシーンは挨拶で始まることから、「挨拶は真剣勝負」と力説。「お会いできてありがとう」の気持ちを込めて、生きた挨拶を心掛けるよう訴えた。

 

三人目の発表者は、有限会社中村金襴工場(所属:神辺町商工会)の中村幸弘代表。「600年に一度の変革期を迎えて」をテーマに、金襴織物の歴史とともに自社の成り立ちから現在までの経過を詳しく紹介しました。

 

一見耳慣れない言葉ですが、金襴とは、室町時代に中国から伝来して以降、現在に至るまで連綿と受け継がれてきた日本の伝統的工芸品。しかし、現代社会の急速な生活様式の変化の中で、日本独自の和装文化は劇的に衰退。「金襴は600年に一度の変革期を迎えている」と中村代表は警鐘を鳴らしました。危機感を募らせる一方、中村代表は地元が誇る伝統技術を生かして今の時代に即した新しい価値を提供するため、繊維技術を継承した4社で有限責任事業組合“和楽美”を設立。「全国展開プロジェクト」などを活用し、伝統的な技術と革新的な感性が融合した風呂敷バッグブランドを開発するなど、伝統技術を生かした新製品開発に活路を見出そうとしていることなどを紹介しました。

 

中村社長は、異業種連携で世界と戦うという力強いメッセージを表明。異業種連携は金襴の世界しか知らなかった中村代表の考え方に新たな影響が与え、中村代表は金銀泊を織り込んだ引箔織りの技術を応用した“ホログラム金襴”などを開発。「第74回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2012」で高い評価を受けたことを紹介しながら、“海外ではできないモノづくり”を掲げ、「備後の仲間とともに新しい価値を持った商品を世に送り出したい」と宣言。「それを売る場所は首都圏しかなく、その延長線上に世界を見据えている」などと力強く語りました。

 

四人目の発表者である細川センイ有限会社(所属:福山北商工会)の細川晃代表は、「自社の特長を生かした新製品開発~もんぺ生産で日本一~」をテーマに、もんぺでナンバーワン企業を目指す意気込みなどを説明。

 

他社がもんぺから撤退する中、同社はもんぺの生産を主体に問屋、小売店、全国規模の大型販売店へ販売ルートを開拓。平成5年に先代から事業を引き継いだ当初は、「このままもんぺを作り続けていいのか」と葛藤の連続でしたが、結果的に一つの事業に専念し続け、「もんぺを我慢して作り続けたことで道が開けた」。競合他社が圧倒的に少ない市場の中、問屋へのアプローチは必要なく、「向こう側から自分をわざわざ探しに来てくれる」と、現在の同社が置かれた状況を説明。一つの事をコツコツと続けて行けば、それが自社の将来を支える大きな力になることを強調しました。

 

もんぺはファッション性の高い衣類と異なり、シーズンが過ぎれば売れなくなる商品ではないことから、機会損失をなくすことに努めるなど、細川代表は自身の経営方針についても詳しく説明。「怖いのは売れ残りではなく、売れ過ぎた時」などと語り、製品在庫を多めに持つような生産計画を立てて欠品を回避し、在庫切れによる機会損失を未然に防ぐことが、顧客の満足度を高めることにもつながるなどと語りました。

 

細川代表は話の最後に自身の経営哲学を披露。“利は元にあり”という言葉を紹介し、商売の基本は仕入れて売ることで、細川代表は売ることよりもまずは仕入れありきの考えのもと、商品を作らせてもらっていることに感謝していると説明。事業の一番の目的が利益を上げることだとすれば、「儲かったらなら事業を辞めればいい」「もし倒産すればすべてゼロ。それは事業の目的に反する」などと述べ、「100まで儲けて事業をすっぱり辞めるのが私の夢」と、一風変わった理想の将来を語りました。

 

事例発表後、参加者プレゼンを開催。それぞれの事業活動などについて、参加者全員にショートプレゼンテーションを披露してもらうというもの。「将来的には福山市内に整骨院を10店舗」「広告のご用命はぜひ我が社にご相談を」「今月末にイベントを開くのでぜひご来場を」などと、参加者たちは目標を同じくする経営者や金融関係、産業支援機関の関係者などに向け、短い時間で精一杯の自己アピール。金融機関、産業支援機関の関係者らからは、「地元のみなさまのお役に立てるよう知恵を出していきたい」「新商品開発にあたり、開発困難な案件などがあれば気軽に活用して」といった言葉が聞かれました。

 

その後、名刺交換会を兼ねた参加者交流会が行われ、参加者たちは和やかな雰囲気の中で名刺交換を通して情報交換や情報収集しながら、新たなネットワークづくりに励んでいました。

 

●お問い合わせ/福山北商工会 TEL(084)976-3111

 

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