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事業所紹介-有限会社佐野商店(福山あしな商工会)

[い草の生産から製織、販売まで手掛ける備後畳表の卸売問屋。畳の良さを世界へ]

事業所・店舗紹介

福山あしな 商工会

専用の刈り取り機で丁寧にい草を刈り取る佐野さん。刈り取ったい草はすぐに染土で泥染めします

 高級な畳表として全国的にメジャーな「備後畳表」。い草の表皮が堅いため、摩擦ではげにくく耐久性に優れ、青銀白色の気品ある色彩が特徴です。佐野書店はい草の生産から自社製織、販売まで手掛ける全国的にも珍しい企業。「生産から販売まで一貫して行うことが多様化するニーズに応えるためにはとても大切なことなんです」と代表取締役の佐野達哉さんは話します。

 

 佐野商店はい草農家から始まり、4年前に事業を承継した佐野さんで3代目。13年ほど前に畳表のニーズが少なくなったことを背景に、一度はい草の生産を中止していましたが、8年前からまた再開しました。佐野さんは「い草を栽培する農家は、後継者不足や高齢化により減ってしまったが、その一方で、備後畳表はブランド力が上がり、重要文化財の修復に使用されるなど、需要は高まっています。日本の伝統的な畳という文化を、世界にも発信していきたい」と目を輝かせます。

 

 現在は福山市内にある約2~3反の自社ほ場で畳表約500枚分になるい草を生産。品種は古くからこの地で生産されてきた「せとなみ種」です。7月に青々と美しく伸びたい草の刈り取りが行われました。刈り取ったい草は、昔からこの地域で使用されている染土で泥染めする伝統的な製法を用いて、日焼けで黄金色に輝く畳表に仕上げます。

 

 さらに、佐野さんは新しい試みにもチャレンジ。備後畳の中でも最高級品とされる「手織中継表」は、手織りのため製造するのに日数がかかり作業も重労働。そのため価格も高値で取引されていました。そこで製造工程を機械化した「動力織中継六配表」を開発。従来の畳表に比べて幅が広く、様々な規格の畳に対応しています。

 

 現在は自社栽培のい草のほか、熊本産や中国産のい草を仕入れて製織していることもあり、今後は支店がある熊本でもい草の生産を始め、いずれは完全自社生産・製織を目指しています。「国宝や重要文化財の修復の際、これまで雑工事に分類されていた畳の修復が、一目置かれる存在になっています。畳の良さを多くの人に知ってもらう一役を担えたらうれしい」と話してくれました。

 

○有限会社佐野商店

住所/福山市芦田町上有地2580-1

TEL/084-958-2035

営業時間/8:00~17:00

定休日/第2土曜、日曜・祝日

HP/https://www.sanoshouten.co.jp/