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「平成24年度広域講習会」開催

ポイントカード事業の今とこれからについて考え、商売人としての原点を再確認する

クローズアップ商工会

広島県商工会連合会

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「平成24年度広域講習会」開催

▲従来とは異なる試みとして、今年度は三遊亭亜郎さんによる落語会を実施した。

 

本県連は、小規模事業者の商業振興や地域購買力の向上などを目的に実施している、商工会広域カード事業“ぽっぽカード”の事業強化の方策などについて検討する「ぽっぽカード加盟店広島県大会」を先月5日、南区的場町のホテルセンチュリー21広島で開催しました。

 

商工会広域カード事業を通じていっそうの地域商業の振興や個店の売り上げ向上を図ることを目的に平成17年度から毎年開いているもので、今年で8回目。「平成24年度広域講習会」として実施した今大会には、県内の加盟事業者、商工会関係者など約70人が参加。ポイントカード事業の今後のあり方などを考察する講演会、商売の原点を見つめ直すための落語会などを行いました。

 

第1部の講演会では、“地域商業研究所(福岡市南区)”の金尾俊郎代表が、「ポイントカードで地域を救え!~地域循環型経済を目指して~」をテーマに講演。第2部の落語会では、落語家の三遊亭亜郎さんが「落語で学ぶ商売繁盛~ポイントカードは素晴らしい!~」を演題に、創作ミュージカル落語を披露しました。<

 

「ポイントカードのこれまでの20年間の流れを振り返り、これからを考える」と前置きして金尾代表は講演をスタート。その冒頭で金尾代表は「平成4年を境にスタンプカードの役割が変わった」と説明。折しもその頃、『大規模小売店舗法』『食糧管理法』などの規制緩和によって日本の産業構造は大きく変化。競争激化と価格破壊が進み始めた頃を機に、「スタンプやカードの役割もそれ以前とは大きく変わった」。

 

金尾代表はそれ以前を“第1世代”と位置付け、第1世代期はスタンプやシールを中心としたポイント制で、日々の最寄り品業種を中心にポイントをおまけとして付与し、顧客の固定化を図るツールだった、と説明。それ以降の“第2世代”では、現金値引きに代わる効果を持ったツールとしてポイント制が活用されることになり、対象業種もあらゆる業界へと拡大。第2世代期に入るとスタンプやカードの役割は、「おまけから値引き対策に移行した」と強調しました。

 

第1世代期には、同じ商品であればどのお店で買っても値段は変わらない“同一商品同一価格”の場合、おまけとしてポイントを付与することは差別化の手立てとして有効でした。規制緩和に伴う価格破壊が起こった第2世代期ではその神通力は通用せず、共同事業としてのスタンプやカードに値引きと同等の価値を持たせ、個店単独ではできない顧客満足と利益確保を両立させるべき、と金尾代表はアドバイス。

 

どこで買っても商品の値段が同じなら、スタンプをもらえるお店へ行くのは当然の消費者心理。そこに価格差が出てくれば“スタンプによる差別化”の原則が崩れてしまう、というのがその理由で、「値引きの一部とスタンプを置き換えることで利益率を上げる取り組み方をしなければ、スタンプ経費の元は取れない」。金尾代表は値引きとポイント倍率の相関表を示しながら、特に特価品や高額商品にスタンプを出すことが有効になるなどの奥義を伝授しました。

 

スタンプやカードの役割はさらに深化し、“第3世代”になると、買い物袋の持参や再生資源の店頭回収などのリサイクル活動をはじめ、まちづくり活動、ボランティア活動の対価としてポイントを付与するなどの新たな仕組みが登場。ポイント制というシステムが環境問題や地域活動にも応用できることが分かり、「地域商業の販促活動がさらに汎用性を広げた」と金尾代表。

 

定着しにくかった地域通貨の代わりとして、スタンプやカードによって新たな地域内循環型経済を目指すべき、との考え方を示し、カードの提示に対して子育て支援サービスを提供したり、カードによる収益を復興支援などの社会貢献に役立てたりするなど、新たな用途を提案することで利用動機の拡大が図れることを説明。ぽっぽカード会統一事業として実施している小中学校の活動費助成もその一例で、その他、高齢者の医療費軽減対策、特定診断対策などさまざまな用途に利用が可能であるという新たな視点を提示しました。

 

続く落語会では、モノが売れない時代だからこそ商売人としての原点を見つめ直してもらおうと、劇団四季出身という異色の経歴を持つ亜郎さんが、持ち前の美声を生かしたコミカルな創作ミュージカル落語を披露しました。

 

この日の演目は、『ありがとうが世界を変える絆39』と『ダメ坊ちゃんが松下幸之助に出会ったら』の2本。1本目は、どんな状況や運命に対してもひたすら「ありがとう」を唱え続けることにより、閉鎖的な商店街の沈滞ムードを払拭していく男の物語で、2本目は、恵まれた家庭に育ったものの、一家離散の末に蕎麦屋の下働きとなった主人公の成長の過程を描いたストーリー。

 

「商店街のみんなを幸せにするには、まず自分が変わること」。そう教えられたある民生委員の男は、会う人すべてに「ありがとう」と挨拶。男の感謝の言葉が商店街の人たちの心のわだかまりを次第に溶かし、徐々に商店街に活気が戻ってくる物語の中に亜郎さんは「地域の人々がともに助け合い、成長し合い、心を寄り添い合い、絆を深めて欲しい」の思いを込めていました。

 

人と人とは合わせ鏡で、まず自分自身が襟を正してお客に好かれる人間にならなければいけない、などと述べて、商売人の基本である「いらっしゃいませ」の挨拶も、「相手を変えるくらいの勢いで」と亜郎さんはアドバイス。心から人に感謝する気持ち、相手を大切に思う気持ちを今一度思い出してほしい、などと訴えました。

 

2本目では、『困難を困難とせず、思いを新たに、決意をかたく歩めば、困難がかえって飛躍の土台石となるのである。要は考え方である。決意である。困っても困らないことである』『先例を破る新しい方法を工夫することの方が大切である。やってみれば、そこに新しい工夫の道もつく。失敗することを恐れるよりも、生活に工夫のないことを恐れた方がいい』など、故松下幸之助さんの名言を端々に織り交ぜて小噺を披露。

 

苦労の中にも誇りと生き甲斐を見出し、主人公が下働きとして懸命に励む姿を通して、自分に与えられた境遇をありのまま受け入れ、明るく強く逞しく生き抜くことの大切さを亜郎さんは説きました。「考え方が変われば行動が変わり、行動が変われば人格が変わり、人格が変われば運命が変わる」などと述べ、知恵や悩みを出し合って今の商売を取り巻く状況をともに乗り越えてほしい、とエール。高座の締めとして、「諦めなければ道は必ず開ける」「笑う門には福来る」と力強く語り、聴衆一同の心と体に明日の英気を注入しました。

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