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「農商工連携塾」開講(県連) (2010/02/17)
[3日間の集中講座で事業計画策定のポイントを学び、自社の計画作成に取り組む]
中小企業基盤整備機構中国支部の矢村弘道プロジェクトマネージャーが講師となり、
農商工連携事業計画策定のポイントを丁寧に指導
 広島県内の中小企業者による農商工連携の取り組みを支援する「平成21年度農商工連携塾」が16日、中区大手町のホテルサンルート広島で開講しました。本県連の主催で、農商工連携に向けた取り組みや法認定の促進を図ることを目的に開かれたもの。県内6事業所、計7人が受講しました。

 農商工連携塾は3日間の短期集中講座で、『農商工等連携促進法』に基づく事業計画の立案方法、計画書の策定手法をケーススタディやグループディスカッションを交えて実践的に学び、自社の具体的な事業計画を作成し発表。その内容を講師と検証しながら事業計画の実現性を高めて、ビジネスチャンスの拡大や新商品・新事業展開につなげてもらうのが狙いです。1日目は農商工連携事業の概要や支援施策を学んだ後、事業計画策定実習の第一段階として、他県の先進事例をケーススタディの教材にしてケース事業のポイント整理などを行いました。

 講師は、(独)中小企業基盤整備機構中国支部中国地域活性化支援事務局の矢村弘道プロジェクトマネージャー。“事業計画策定のポイント”をテーマに、農商工連携事業計画を策定する目的や狙い、計画策定から認定までの流れを詳しく紹介した後、今回のプログラムを紹介しました。

 事業計画を7つのステップで段階的に作るのが今回のおおまかなスケジュールで、その順序は、ケース事業の実態を把握した上で経営資源を明確化し、事業コンセプトを立案。次に、ターゲット市場と商品・サービスの新規性を明らかにして事業規模を策定し、事業のスケジュール化を図る流れ。受講生らはそのプログラムに従い、与えられた教材でケース事業の実態把握と経営資源の確認作業に取り組みました。

 教材として与えられたのは、『農商工連携88選 』に選定された“農村女性の手作りケチャップから地域おこし”の取り組み事例。岐阜県郡上市にある“株式会社明宝レディース(トマト生産組合と加工事業者の連携企業)”の「農村女性が中心となって、地域特産の夏秋トマトの規格外品を使った手作りトマトケチャップを製造・販売する」というもの。

 事業所が岐阜県中央部に位置し、高速道路で名古屋市に1時間40分でアクセスでき、白川郷、飛騨高山などの観光地からも近いこと、昨今の食品偽装問題などでトレーサビリティへの関心が高まる一方で、外食産業の伸びが止まり、高級品嗜好と安価志向と二極化の傾向が続いていること、中国の富裕層に日本の高級食材が良く売れていることなど、市場の環境や業界の動向を受講生らは頭にインプット。

 国内ではトマト製品の専門メーカーが2社あり、トマトケチャップは大手2社による寡占状態にあること、明宝レディースではトマトの生産から加工まで一貫して手作りでトマトケチャップを製造していることなど競合動向を把握した上で、トマト生産組合と加工事業者それぞれが保有する経営資源を洗い出し、資源活用の方向性について考えました。

 初めての作業に頭を悩ませる受講生らに、矢村プロジェクトマネージャーは「ビジネスアイデアを事業計画書に落とし込む作業は、独力ではなかなか難しいのが現状」などと語り、演習を交えた実践的なトレーニングの重要性を強調。矢村プロジェクトマネージャーのアドバイスを受けながら、受講生らは経営資源の抽出・整理までの第2ステップを無事クリアし、講座1日目を終えました。受講生らは残りの2日間で、SWOT分析を行って明宝レディースの市場機会を探り、グループディスカッションなどを通じて事業コンセプトを立案。一連の学習過程に基づいて自社の事業計画を作成し、発表する予定になっています。

 事業計画策定のポイントを学ぶ前にあった事例紹介では、今年度の計画認定事業者で乾燥野菜食品メーカー“こだま食品株式会社(福山市駅家町)”の橘高泰弘専常務が、農商工連携の取り組みの背景や経緯、課題を発表。

 同社は昨年12月、“規格外品等を利用したアスパラパウダー関連商品の開発と販路開拓”で農商工連携の認定を取得。乾燥野菜の粉末化による事業拡大を検討していた同社が、大量に廃棄され市場に流通しないアスパラガスの端材と規格外品の有効活用に目を付けた世羅町、世羅高原6次産業ネットワーク、JA尾道市と連携して新規事業展開を図るというもので、橘高常務はその詳細について説明映像や商品サンプルを用いて紹介。

 “もったいない精神”が発想の原点にあり、野菜を通じて新しいことを興す“野菜加興”によって消費者に健康と安全を提供したい思いなどを橘高常務は熱弁。その一方で、自社の利益のみを目指した新商品開発は間違った方向性で、「農業者にどれだけ利益をもたらすかの考えが大切で、農業者とウィンウィンの関係になることが重要」と農商工連携の正しいあり方を受講者らに提言。また、「書面だけのつながりではダメ。定期的に顔を合わせて進捗状況を報告し合うことにしている」と、連携相手となる企業、団体と良好な関係を築き上げるための工夫などについてもアドバイスしました。

●お問い合わせ/広島県商工会連合会 TEL(082)247−0221
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